【連載】化粧品各社のイノベーション研究【7】アジュバンコスメ③ ~3ヵ年経営計画スタート、今期パーマ剤を投入~

2016.01.7

特集

編集部

株式会社アジュバンコスメジャパンの前期決算(2015年3月期・連結)は、サロンの安定した経営サポートに取り組んだものの、非正規流通取引先の取引停止やA・C・Sサロンへのフォロー不足などで、売上高は前年同期比1.5%減の45億300万円となった。
利益面では、売上高の減収に加えて、中国・香港の連結子会社によるリテールショップの開設及び東京都港区北青山のサロンオープンに伴う費用の増加などで、営業利益が前年同期比26.8%減の7億3300万円、経常利益前年同期比24.7%減の7億5900万円の赤字となった。また、投資有価証券の減損による特別損失の計上及び繰延税金資産の取崩しによる影響などで、当期純利益は4700万円(前年同期比91.8%減)の赤字になるなど、厳しい決算となった。

こうした前期の赤字決算を踏まえた上で同社は、今期(2016年3月期)から2018年3月期までの3ヵ年中期経営計画(表参照)に取り組んでいる。同中期計画は、毎年ローリングによる見直しを行って進める。
同3ヵ年計画は、
①代理店、A・C・Sサロンなどの既存顧客に対する支援強化
②MAPシステム契約件数の増加、MAPシステム専任者の増員などコンサルティング営業の強化
③グレイヘア、敏感肌等のニーズに対応したカラー剤、パーマ剤の開発
④子会社のイノベーション・アカデミー株式会社によるA・C・Sサロンスタッフ向け研修の実施、各種セミナーへの講師派遣
⑤アジア地域をメインとした海外展開
この5つの戦略を重点施策として進める。

この5つの戦略によって、最終年度の2018年3月期に売上高54億4700万円、営業利益8億7000万円、経常利益8億7000万円、利益5億3500万円を目指す。
特に、新分野への進出として業務用カラー剤とパーマ剤に最も売上伸長を期待する。カラー剤は、2014年9月にサロン向けに販売。2015年2月に新色を追加販売している。
カラー剤の売り上げは、2015年3月期3400万円、今期(2016年3月期)が1億5000万円、来期(2017年3月期)3億5000万円、3ヵ年計画の最終年度である2018年3月期4億6000万円を見込んでいる。

同社がスキンケア、メイクアップ化粧品に加えて業務用カラー剤をサロン向けに投入したのは、化粧品を豊富に揃えることで、サロンの経営体質を強化し収益の向上に繋げる狙い。また、今期(2016年3月期)中には、新たにパーマ剤をサロン向けに投入する計画で現在、開発に取り組んでいる。

無題

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