【連載】化粧品各社のイノベーション研究【8】シーボン① ~美肌プログラムと美のコンテストが相乗効果発揮~

2016.01.13

特集

編集部

【シーボン】事業系統図今年1月に会社創立50周年を迎えた株式会社シーボン(神奈川県川崎市、東証1部上場)は、スキンケアやメイクアップなどの化粧品を栃木・河内郡の工場(生産センター)で生産し、物流・研究開発拠点を経て、直営店舗「フェイシャリストサロン」(2015年4月108店舗)と通信販売、及び国内・海外の代理店(同販社店舗数5店舗)の計113店舗を通じて一般顧客に販売している(図に事業系統を示す)。
1994年には、直営のサロン店舗とスタッフ・商品名称を全て「フェイシャリスト」に統一した。現在、ロングセラー商品「フェイシャリストトリートメントマセ」やエイジングケア用「コンセントレート」、肌悩み別の薬膳化粧品「シーボンMD」、通販向けの「アビリティ」などのブランド約150品目(アイテム)を市場に投入している。

総売上高に占める販売チャネル別売上構成比率は、2015年3月期の売上高139億3400万円のうち直営店舗97%、通信販売1.6%、国内代理店1.2%、海外代理店0.2%となっている。また、朝晩のスキンケア(ホームケア)とサロンでの肌チェックや美顔マッサージなどのアフターサービス(サロンケア)を推進する「ホームケア」+「サロンケア」という“独自の美肌プログラム”を提案しながら商品の訴求力向上と収益の確保に繋げている。

20~40代の女性500名を対象に「肌の汚れ」に関する調査を実施。その結果「メイク汚れや古い角質などが、洗顔で落としきれていない」と回答した女性が8割以上占めるなど、クレンジングや洗顔が十分にできていない実態が明らかになったことを受け、「ホームケア」+「サロンケア」という独自の美肌プログラムを打ち出したもの。

同社は、この美肌プログラムで美肌を適えた女性が感動のエピソードとともに、その軌跡を発表す【シーボン】2015年開催美肌コンテストる「感動美肌コンテスト」(写真)を9年前から毎年1回(毎年9月に予選、10月に発表会)開催している。
同コンテストは、顧客が美しくなっていく過程をスキンケアのプロであるフェイシャリストと顧客が一緒に発表するもの。
参加者は、フェイシャリストのアドバイスのもとシーボン製品を使った自宅でのスキンケアとサロンでの集中ケアを行なう。特に、肌状態を定期的に測定し、肌データとしてフェイシャルコンピューターに蓄積。9月の予選では、これらの肌データをもとにきれいになっていく過程を重点的に審査、10月の発表会出場者を選出する。
発表会では、担当フェイシャリストとともに顧客自身がプレゼンテーションを行い「フェイシャリストから顧客へのアドバイス内容」「顧客の意気込み・参加してからどうなったか」「美肌へたどりつくまでのエピソード」などをもとに厳正な審査の結果、最優秀賞1名を決定する。
2014年は、総勢3,037名がエントリー。2015年には総勢3,185人がエントリーするなど、年々活気が増している状況。
こうした独自の美肌プログラムの実践と美肌の創出を演出するコンテストが相乗効果を発揮して化粧品事業を成長の軌跡に乗せている。

#

↑