【連載】化粧品各社のイノベーション研究【12】ホソカワミクロン③ ~育毛剤がOEM事業をリード~

2016.02.17

特集

編集部

ホソカワミクロンは、化粧品のOEM事業をマテリアル事業部傘下の製薬・美容科学研究センターで取り組んでいる。OEM 事業を拡大するため、法人向け販促ツールとして2012年3月に「プルガンス®  オールインワンジェル」(ジェル状美容液)および「プルガンス® プレストパウダー」(粉状美容液)を開発し、同年4月から販促活動を開始した。

産業ビジネス を主体に粉体事業に取り組んできた同社が化粧品OEM分野に進出したのは、「コンシューマ分野でブランド力や商流を持つ顧客へOEM による商品を提供することで、PLGA事業の規模拡大や事業リスクの低減を図り、費用対効果の適正を図ることが重要と判断した」ことによる。

OEM事業の強みについて同社は、
①独自のPLGA を用いたナノ粒子技術・材料が裏づけとなり、市場のニーズを反映して効果・効能のある化粧品(美白、アトピー、アンチエージング、ニキビ等)・育毛剤を開発できること
②特許切れ製薬のLCM(ライフ・サイクル・マネジメント)戦略としての薬物搬送システム(DDS)において有用な材料であること
③次世代創薬(核酸)の実用化のためのDDS技術などに的確に応えられること
④同社独自の製法(特許多数)に基づくナノテク粒子であり、化粧品分野では、同社以外に量産販売が困難な材料であること
⑤ナノ粒子の特長として経皮浸透性や持続性に優れ、体内で水と炭酸ガスに分解される安全性の極めて高い素材であること
などを挙げる。

こうした強みを発揮しながら、独自材料の機能性を訴求する化粧品技術者向けの営業活動を強化。同時に、化粧品技術者が多く来場する展示会などを通じて拡販を図っている。

現在のOEM営業のターゲット先は、通販、訪問販売、店舗販売、理美容・エステなど、販売チャネルごとにメジャーパートナーをターゲットとし、その創出する活動を実施中。また、大手・中堅化粧品会社向けPLGAナノ粒子(バルク)の販売や化粧品企画系会社向け完成品のOEM販売などを基本に取り組んでいる。OEM 売上目標は、非公開。

ホソカワミクロン「ナノインパクトプラス」同社は、ジェル状美容液および粉状美容液の開発・販売によるOEM 事業の拡販に続き、2013年5月に配合成分と使いやすさの両面で、大幅に強化・改良を図った高浸透型発毛促進剤「薬用ナノインパクトプラス」(写真)を会員向けに販売した。同商品は、頭皮料・育毛剤ナノインパクトシリーズの「薬用ナノインパクト  ダブルテラ」(2006年販売)の改良版。

高浸透型発毛促進技術は、OEM商品にも応用されており現在、育毛剤事業の拡大をリードする原動力になっている。

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