【連載】化粧品各社のイノベーション研究【12】ホソカワミクロン④ ~100周年に合わせ化粧品、育毛剤をリニューアル~

2016.02.18

特集

編集部

ホソカワミクロンは、化粧品や育毛剤事業で企業買収、販売提携などの動きを見せるなど、新たな変革(イノベーション)に自ら奮い立たせている。

同社は、化粧品事業(ナノマテリアル)について、これまで大きなイノベーションを自ら変革した。
同社は育毛剤の拡販を狙って、2009 年11 月にサントリーウエルネス株式会社(東京都港区)との間で商品取引基本契約を締結した。
同社は、サントリーウエルネスとの基本契約について「OEM先ということで具体的な契約内容についてはコメントできない」として言明を避けている。 サントリーウエルネスは、自ら販売している高浸透性頭皮料や基材などに、ホソカワミクロン開発のPLGAナノ粒子の処方を採用していると見込まれている。

一方、2014年10月に総販売代理店として一般消費者向け通販を担当していた株式会社ユノインターナショナル社(以下、ユノ社)を約310百万円で買収して傘下に収め、社名をホソカワミクロン化粧品株式会社に変更して製販一体体制を構築した。
これにより、ユノ社が得意とする一般消費者向け通販のノウハウを取り込むことで、消費者ニーズを反映した売れる商品の迅速な開発・販売を加速し、事業拡大に弾みをつけた。
また、PLGA基材が中国食品薬品監督管理庁から使用許可済原料名リストに収載(2014年5月)されたことも、海外展開に弾みがつきそうだ。

ここへきて新たなイノベーションに乗り出した。今年4月の創業100年に合わせて、現在の商品ラインナップを見直すとともに、配合成分を強化してリニューアル化し、子会社ホソカワミクロン化粧品を通じて3月初旬から逐次、販売する。
同社は、2005年にスキンケア化粧品「ナノクリスフェア」、2006年に薬用育毛剤「ナノインパクト」など頭皮ケア関連商品を市場に投入した。
ここへきて今年4月に創業100年を迎えるのを契機に同社は、現在の商品ラインナップを見直すとともに、配合成分の強化によってリニューアル化を図ったもの。

リニューアル化したのは、化粧品「ナノクリスフェア」3品目と薬用育毛剤「ナノインパクト」4品目の計7品目。リニューアルした化粧品は3月初旬に販売するとともに、育毛剤関連は4月中旬の販売を見込んでいる。

リニューアルの方向性は、ホソカワミクロン化粧品からフィードバックされた営業情報をもとに、各商品に求められる機能性を有する成分を内包した機能性ナノ粒子を配合した上、新たな有効成分を追加配合して機能性強化を図った。また、加水分解する性質を持つPLGAの分解を制御する技術を使って、美容液やクリーム、育毛剤、シャンプーなど全ての商品が、機能性PLGAナノ粒子を直接配合した一剤化製品となる。

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