【連載】化粧品各社のイノベーション研究【12】ホソカワミクロン⑤ ~中期計画で化粧品OEMと育毛剤販売を強化~

2016.02.19

特集

編集部

ホソカワミクロンは、2014年10月を初年度に、2017年9月までの中期3ヵ年計画を推進中。
同3ヵ年計画ではナノマテリアルビジネスの拡大を前面に押し出して、「化粧品OEM事業の拡大」と「育毛剤の販売強化」を戦略に位置づけて更なる飛躍を目指し、ナノマテリアル事業を新たな収益源に育てて行く。

化粧品・育毛剤のナノマテリアルビジネスについては、現在、PLGAナノ粒子技術の市場展開を推進し、基礎化粧品「ナノクリスフェア」や育毛剤「ナノインパクト」など、オリジナル商品の拡販。また、化粧品通販会社、皮膚科向けOEM事業の拡大などに取り組んでいる。だが、現状は、事業規模が小さいため、粉体関連事業の業績に組み込んでいる状態にある。

同社は、ナノマテリアルビジネスに参入して14年を経過した。しかし、業績を明らかにしていないため定かではないが、化粧品事業は2012年度から黒字に転換していると見られている。
同社は、化粧品ビジネスの売上を企業会計基準のセグメント情報として総売上高の10%程度にまで持っていくことを理想とする。
現在、子会社ホソカワミクロン化粧品の通販売上高は、約7~8億円程度と見込まれているが、中期目標として3倍増の約21億円程度にまで持って行く方針。
過去に育毛剤と化粧品で50億、100億を目指すと豪語していた同社だが、当面、化粧品・育毛剤を中心としたナノマテリアルビジネスの事業規模20億円をターゲットに、実現することが焦眉の急といえる。

世界に誇るナノ技術でリードする「ホソカワミクロン」は、粉体技術を生かして化粧品分野に新規参入した。しかし、ホソカワミクロンという会社が、化粧品・育毛剤事業を行っていることに多くの消費者がどの程度、理解しているか、懐疑的である。ネット通販での化粧事業について、浸透力不足が課題点となっている。
その意味で、化粧品事業について引き続き幅広く消費者に訴求していくことが、コンシューマ市場でのビジネス展開において極めて重要だ。コンシューマ市場で化粧品ビジネスをさらに訴求していく戦略の構築が期待される。

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