【連載】化粧品各社のイノベーション研究【13】オッペン化粧品② ~独自成分開発に力、皮膚研究も意欲的~

2016.02.24

特集

編集部

オッペン化粧品の歴史は、「肌に本当によいものは何か」を探り続けた独自成分開発の歴史といっても過言ではない。
研究所での独自成分開発の成果として、化粧品ブランド「薬用妙」に配合している保湿成分「青花-AA」を開発した。
オッぺん化粧品「オオボウシバナ」「青花-AA」は、草津市だけで栽培されている特産の植物で、つゆ草の栽培種。6~8月に美しい花を咲かせ、古くから友禅染の下絵描きに用いられていた。肌へのはたらきに着目して大阪薬科大学との共同研究を進め、青花にバイオ技術を応用して保湿性を高める成分を抽出、化粧品ブランド「薬用妙」のリニューアルに処方・配合した。
「青花-AA」以外にも、ユニーク独自成分として開発したものに「Y-100」がある。「Y-100」は、バイオ技術を応用してハトムギを酵素処理したもの。
豊かな潤いをもたらす作用があり「薬用妙」にも処方している。また、紅麴を繁殖させた米麴に2種類の酵素を作用させ、バイオ技術で加工処理したエキス「紅麹AP50」は、同社とグンゼが共同で開発した。

同社の研究スタンスとして、新規成分が開発できたから「それで終わり」という姿勢ではない。さらに、成分の研究を進めて「どういう肌になってもらうために、どんなアプローチをしていくのか」、その先をめざしたストーリーを描いて研究を続けるシームレス(切れ目のない)研究に特異性がある。
その意味で、同社が生みだしてきた独自成分の開発は、同社の成長の歩みを反映したストーリーをもった成分ばかりといえる。「皮膚や肌に良いもの」を基本にしながら、独自成分を開発するのが創業以来続くこだわりといえるだろう。また、皮膚の基礎研究についての基本的な開発姿勢は、機能面と心理面の両方を支える理想の肌へと導く品質を創り出すことにある。特に、皮膚は、体の内側と外側とを分ける働きをする「臓器」とも呼べる存在。体の内側の水分を逃がさず、側からの異物の侵入やダメージから身を守る「バリア機能」の役割を持つ。同時に、皮膚は、肌の調子のよさ、悪さが見た目となって表れるほかだけでなく、気持ちの浮き沈みや見た目に直結する。 こうした機能や心理面の2つのバランスを図り、肌に忠実な高品質の化粧品を創り出して行くことに基礎研究、商品開発の基盤がある。
同社の研究開発部門は、商品部の開発課、研究課を中心に生産課、生産管理課及び営業部門の営業推進部、営業戦略部が一体となった社内体制を組んでいる。

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