【連載】凌ぎを削るメディカルツーリズム(2)凌ぎを削るメディカルツ―リズム

2013.04.12

特集

編集部

台湾、日本人顧客の取り込みに懸命

マレーシアやインドなどもメディカルツーリズムが盛んだ。また、台湾も三年間で10万人の医療観光を呼び込む政府主導メディカルツーリズム構想を打ち出し、日本人顧客の獲得に走り出した。

マレーシアは、海外の患者向けに病院や医師とのアポイント、宿泊、ビザ申請と発行などを行うコーディネート会社「MSCI」を設立。また、ドバイに現地事務所を開設して医療サービスの売り込みを始めている。すでにドバイ医療局、アブダビ医療局などと提携し2~3年間で、アラブ首長国メディカル市場の10%を確保する計画。

日本人の多くは、インドがメディカルツーリズムの先進国であることを理解している人は少ない。しかし、欧米人には、インドが高度医療サービスを安価で、順番なしで受けられることから人気が高い。2012年にインドで治療を受けた外国人は、70万人に達し、タイに次ぐメディカルツーリズム大国に躍り出た。

インドは、脳や心臓疾患の手術・治療では、世界有数の技術を誇っており米国の保険会社は、心臓手術が必要な契約者をインドの医療法人「アポロ」に送り手術を受けさせているほどだ。

アメリカで5万ドルかかる心臓手術がインドでは、5千ドルで済む。安価な治療費で先進国と遜色のない高度医療が欧米人に受けている要因だ。しかし,最大の顧客である米国は、国民皆保険に移行するなどインドにとって顧客獲得に向けた新たな対応に迫られている。ここへきて 台湾も三年間で十万人の医療観光を呼び込む政府主導メディカルツーリズム構想を打ち出した。

最大の顧客と見込んでいるのが日本人。日本に比べて費用が3分の1で済む人間ドックや美容関連、生体肝移植、人工生殖、関節置換などの得意分野で、日本人を取り込む作戦。

台湾行政院は、台湾国内の4病院と連携して日本での医療展示会や中国本土での販促に力を入れており、観光と抱き合わせた販促・PRに努めている。

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