【連載】化粧品各社のイノベーション研究【21】銀座・トマト① ~植物性バラプラセンタ開発、高機能性を実証~

2016.04.18

特集

編集部

株式会社銀座・トマト(東京都中央区)は、「ふかヒレコラーゲン」の販売を機会に、2000年10月に創業した化粧品原料・素材メーカー。

バラプラセンタ2011年には、国内外の研究者らとの共同研究で、香りが最も高いとされるブルガリア産のバラ・ダマスクローズの胎座から「バラプラセンタ」(登録商標=写真)の抽出に成功。また、有効性の優れた培養株を育てることで、より機能性に優れたエキスを安定的に得ることに繋げた。
無題特に、バラプラセンタエキスは、細胞の活性と保護から導かれる「角質層のターンオーバー促進」、「コラーゲン合成促進」、「抗酸化作用」、「成長因子EGF増加効果」、「神経細胞の活性とシナプス成長促進」、「チロシナーゼ活性抑制効果」などの優れた機能を持つことを実証試験(エビデンス)で明らかにした。中でも人繊維芽細胞にバラプラセンタエキスを1.0%添加し、サイトカイン(特殊なたんぱく質の総称)の発現率を調べたところ、対照群に比べて線維芽細胞増殖因子(FGF)や細胞増殖抑制因子(TGF-β1)の発現能が確認された(EGF発現能データ図)。

バラプラセンタの機能・特徴は、以下の通り。
①成長因子(EGF)の増加は、細胞内で自分自身の成長因子の合成を促進させる
②抗酸化作用は、活性酸素を除去し「抗酸化」力を高めることで、アンチエイジング効果を持つ
③バラプラセンタエキスは、角質細胞を活性化させて角質層が生まれ変わる力を促し、新陳代謝を促進してツヤやキメのある若々しい肌へ再生させるなどの効果

バラプラセンタの製造法は、原種に近いブルガリア産ダマスクローズを採用。受粉後、2〜3週間目のもっとも胎座が活性化している時期に細胞を採取して純粋培養。培養後の胎座細胞からエキスを抽出する。

同社は「優れた美容・健康効果を確認し、気候などの外部影響を受けることなく安定した供給が可能。有効性に優れた培養株を育てることで、より機能性の優れたエキスを得ることができる。製造方法を含めて特許を取得した。バラプラセンタの機能性を注目した東大と共同研究を実施している」という。

こうした同社のコラーゲンや植物性プラセンタなどの原料や原料を配合したOEM(相手先ブランド生産)、PB(自主開発商品)化粧品などの開発は、商品開発部が中心となって担当している。

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