【連載】化粧品各社のイノベーション研究【28】スクロール③ ~中期計画、化粧品事業の海外展開を加速、ボランティア活動継続支援~

2016.06.15

特集

編集部

スクロールは、2017年3月期を初年度に、2019年3月期までの3ゕ年中期経営計画を策定し取り組んでいる。3ゕ年の数値目標として最終年度となる2019年3月期の連結売上高は、2016年3月期比14.6%増の720億円、連結経常利益同42.3%増の30億円を目指す。また、目標とする経営指標として、前期対比売上高成長率10%以上、売上高経常利益率6%以上、ROE10%以上を掲げる。

この数値目標、経営目標を達成するための具体的施策として
① 海外需要の取り込みによる成長
②ソリューション事業の全国展開および海外進出
③ 戦略商品「豆乳ヨーグルトパック玉の輿」を軸にした化粧品事業成長の足掛かりづくり
④ 北海道ブランドの新商品開発による健康食品事業の拡充
⑤ 会員組織への通販事業およびソリューション提供事業(BBC事業)の新規提携による成長
⑥M&Aおよび提携を通じた成長  の6つの分野に挑戦する。

この中で、化粧品子会社「豆腐の盛田屋」が販売する「豆乳ヨーグルトパック玉の輿」を中心に小売りベース売上高100億円達成を目指すため、アジア市場での拡販に努める。

「豆乳ヨーグルトパック玉の輿」の売上高は、2016年3月期200万個、約40億円を販売しており、これを500万個まで伸ばす方針。
そのためにも中国を中心としたアジアでの拡販は必須。すでに中国で実店舗での販売を開始。さらには、現地仮想モールへの出店も行っている。
今後、中国を中心に台湾や香港、シンガポール、タイを中心としたASEAN各国への展開を加速する計画。

豆腐の盛田屋のアジア戦略と合わせてブランド化粧品販売のイノベート、ブランド品販売のAXES、調理器具など通販サイトを運営するスクロールR&Dも、越境ECの展開に乗り出している。今後、アリババの「天猫国際」のほか、楽天の「楽天グローバル」での販売や米アマゾンへの出品も予定している。

ところでスクロールは、企業の社会貢献活動として「公益信託スクロール女性ボランティア基金助成」制度を創設(1994年)し、静岡県内で高齢者・障害者に対するボランティア活動を行う女性を中心とする団体に助成金を交付して活動を支援している。
無題今年度、2015年10~12月に公募を行い、17団体に交付決定、今年4月に贈呈式(写真)を行い表彰した。 同基金は、1994年3月に設立して以来、毎年継続して助成を行っており、これまでに307件、助成総額2809万円にのぼる。

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