【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【5】ササキ② ~水素水サーバ事業に参入、医療分野狙う~

2016.07.26

特集

編集部

ササキ「リアルドラフト」ササキは、化粧品事業に加えてもう1つの主力事業として水素水サーバー「リアルドラフト」(商品名=写真)の製造・販売に乗り出している。自社開発の化粧品に処方した強電解酸性イオン水の採用を契機に、水素水で多くの技術開発を行っている某ベンチャー企業の電気分解技術(特許)による水素水サーバー装置に着目して新規参入したもの。

ベンチャーが開発した水素水サーバーは、特許を取得した電解技術(特許第3349710)によって、電流量を上げても原水のPH値を変えずに中性領域のまま酸化還元電位だけを低くし、水素を1.6ppm以上という過飽和に溶け込ませることを実現できる。

このため、水素発生装置の共同研究、臨床研究、事業化に向けた研究開発を希望する研究機関や企業との提携促進、医療機器としての製造販売に関する承認申請を計画している企業との特許ライセンス契約を行っている。

ササキは、ベンチャーから技術指導を受けて、水道直結型サーバーの「リアルドラフト プレミアム」と電気分解をパワーアップした小型サーバーの「リアルドラフト ジュミニ」の2商品(据え置きタイプ)を開発。

2014年1月からプレミアムについては、スポーツクラブやスーパー向けなど業務用として販売。ジュミニについては、飲食店やオフィス向けに販売している。また、今後、水素ガス発生量4万ppmから最大6万ppmの水素ガス吸入器を開発して、市場に投入する計画。

同社は、強電解酸性イオン水に着目して自社の化粧品開発に採り入れて商品化を図ったことや、化粧品事業に加えて水素サーバーという医療関連分野を強化することで、経営をさらに成長・発展させる構え。社員数は約60名。業績は、2014年9月期売上高8億5000万円、2015年9月期約9億円にのぼる見込み。

同社の企業風土は、自由に発言でき風通しの良さにある。同社のこうした環境が生まれた要因は、経営者が業界知識ゼロからスタートし、積極的に社員の意見を取り入れて何事にもベンチャー魂を持ってチャレンジし続けてきた土壌に根ざしていることに主因がある。

会社設立から20年以上経った今も風通しの良さから生まれるアイディアは豊富。今後とも、独自の技術を創出して商品開発に活かしながら、ベンチャースピリットで事業の成長・発展に繋げる期待は大きい。

#

↑