【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【9】ナ―ルスコーポレーション② ~安全性実証のナ―ルスゲン販売、0EM会社等に委託~

2016.08.11

特集

編集部

ナールスゲンの安全性についてナ―ルスコーポレーションは、日本化粧品工業連合会の安全性評価に関する指針に基づき9項目の安全性試験をクリアしている。ヒトモニター試験で3ゕ月、3回の実験を行い、毒性、刺激性、副作用、肌荒れ、健康トラブル等が認められなかった。

ナールスゲンは、アミノ酸誘導体といってアミノ酸に近い化学構造をもった化学合成されたエイジングケア化粧品成分。エイジングケア化粧品成分としての魅力は
①分子量331.26ドルトンという極めて小さな水溶性成分
②線維芽細胞を活性化し、真皮のコラーゲン、エラスチン、HSP47を増やす
③肌の水分を保持する  以上3点。
また、表皮の傷の治癒を助けるはたらきや紫外線による光老化を抑る働きも実験で確認されている。

ナールスゲンのメカニズム概要は、ナールスゲンが微量の酸化ストレスを肌に与えると細胞が危険な信号と受け止める働きで、肌の奥にある線維芽細胞を活性化し、コラーゲンやエラスチン、HSP47 を増やし保湿作用を促すのが特徴。

ナールスゲンとビタミンCの相乗効果は、ナールスゲンとビタミンCを同時に培養した線維芽細胞に塗布した場合とナールスゲンだけを塗布した場合及びビタミンCだけを塗布した場合の3パターンでコラーゲンの増える量を比較している。その結果、ナールスゲンとビタミンCを同時に塗布した場合のコラーゲンの増える量が、それぞれの単体の合計以上に増えることが明らかになっている。この結果、ナールスゲンとビタミンCを同時に使うことで、相乗効果があることが判明している。

化粧品に配合される一般的なアミノ酸には、ナールスゲンのような作用はない。特に、ナールスゲンは、水溶性のエイジングケア化粧品成分なので、水に溶けやすい性質を持っている。そのため、ローションタイプや化粧水に配合されるのが最もふさわしい成分といえる。

ナールスゲンは「γ-グルタミルトランスペプチダーゼ」(GGT)という酵素を阻害する働きがあることから、市場では当初、GGT阻害実験のための生化学用試薬して販売が開始された。その後、ナールスゲンにコラーゲンやエラスチンを増やす働きがあることがわかり、本格的にエイジングケア化粧品成分として開発が進められた。

こうした保湿効果や肌弾力の向上、安全性確認とともにシワ改善効果の発現が見いだされたエイジングケア化粧原料のナ―ルスゲンについて同社は、医薬品中間体メーカーに処方箋を渡して合成の製造を委託。また、販売は、ドクターシーラボに直接販売するとともにOEM会社に販売を委託している。

 

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