【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【13】シャルーヌ化粧品① ~2018年に東証マザーズ上場~

2016.09.1

特集

編集部

化粧品や美容系サプリメント、美容機器等の開発と通信販売を手掛けるシャルーヌ化粧品株式会社(東京都港区、社長榎本和明氏)は、2018年に東証マザーズ市場に上場する。現在、個人株主を増やすため直接、出資者に説明して出資金を募っている。

同社は、上場に向けて今年の4月に、新日本有限監査法人によるショートレビューを実施した。
このショートレビューは、同社から提出を受けた新日本有限監査法人が各種の資料調査や代表取締役及び会社関係者とのヒアリングなどを行い、短期間(2、3日程度)で行う企業評価(調査)のこと。

同社はすでに監査法人からショートレビューについての調査報告書を受けている。また、上場直前の2期分(2016と2017年)の決算についても監査法人から監査を受け、これを踏まえ2018年に東証マザーズ市場に上場申請する計画。

こうした内部監査と合わせて一般の個人株主を増やすため、現在、機密保護契約(NDA締結)を取り交わした後に、通販の動向をはじめ化粧品通販の実態、化粧品事業の課題と解決策、中期事業目標と収益計画、経営陣の紹介などについて、直接、出資者に説明して出資金を募っている。

同社が上場を目指すのは、上場で得た資金を同社の主たる顧客層であるプレミア世代(60歳台を中心とした世代)とのより強固な結びつきをIT戦略で構築するための投資に振り向けるのが狙い。

現在、IT戦略の具体的な内容は明らかでないが、「60代以上向けのタブレット端末による新ビジネスモデルを構築することで、中高年の生活の質(QOL)を高め、新しい生活スタイルを提供していく」という。この新サービスの提供を目的とした新規事業が、ベンチャービジネスとしての斬新な発想といえる。

しかし、ITを駆使した新ビジネスモデルが既存事業と合わせて同社の収益にどのような効果を及ぼすか、現時点では未知数。

今から20年前にベンチャー企業が上場する期間は、創業して3年以内から5年以内が平均的だった。米国のベンチャーが上場する場合、平均的な上場実現期間が最短で3年、最長で5年という状況を反映して、国内のベンチャー企業やベンチャーキャピタルともに暗黙の上場期限となっていた。

最近の化粧品・美容関連のベンチャー・中小企業の上場は、医療やバイオベンチャーの平均上場期間が5年に比べて10年を超えるなど大幅に長くなっているのが特徴。

同社が仮に、2018年に東証マザーズに上場を実現した場合、法人化して11年に上場を実現することになる。

 

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