【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【15】長寿の里② ~無添加化粧品を開発し、ネット通販と直営店で販売~

2016.09.9

特集

編集部

長寿の里は、シルクやぼんたん、シラスなど自然の素材を活用した無添加化粧品を開発し、ネット通販と青森から熊本まで全国の地域に開設した直営店15店舗を主体に販売している。

食品の販売を目的に法人化(2001年1月)して以降、現在までに商品化した化粧品は、繭に含まれる自然成分「シルク艶エキス」を配合した「シルク美容液」をはじめ、シラス(火山灰)を超微細してシラスパウダー(シリカ)として配合した石鹸、独自製法でぼんたん果皮エキスを抽出し、これにグレープシードオイルやオリーブオイルなどを配合した植物生粋オイル処方の「ボンタンクレンジング」、希少な自然野草を十六種厳選し、深層水を加えて乳酸菌で発酵させた山野草発酵エキス配合の「化粧水」など、無添加化粧品10品目を「然り(しかり)」シリーズとして商品化。また、化粧品セット7品目とサンゴを原料としたUV化粧品など7品目の計24品目を商品化して、市場投入している。

長寿の里・直営店化粧品の販売チャネルは、通販と直営店(写真)での販売が主体。直営店舗の展開を本格的に始めたのは、法人化して8年後の2009年12月になる。
スキンケアなどの化粧品事業が8年後になったのは、こんにゃく黒芋や深層水、石鹸等の販売を優先的に行ったことが主因。この間、化粧品のリニューアル化を図るなど化粧品事業への意欲を見せたが、無添加化粧品として開花したのは2014年になってからのこと。

現在、直営店15店舗のうち4店舗を免税店にして海外の爆買いに対応するとともに、「ショップカード」というポイントカードシステムを導入して、カードを作ってメルマガ会員になると5%オフで、商品が購入できるサービスを行っている。

同社は、化粧品事業に続いて、2013年8月からトータルビューティーサロンと美容室の展開を行うヘアサロン事業(ニューリゾート事業)に乗り出している。現在、店舗数は、数店程度だが今後、段階的に店舗の拡大に打って出る方針。

ここへきて化粧品、ヘアサロン事業に加えて3本柱の一角の事業として、スマートフォンを使ったアプリ運営事業「野菜の達人」も手掛けている。利用者は、スマートフォン上で農園の区画を借り、その区画で野菜を育て収穫し、発送することができる。

アプリシステムは、現地の本物の農園と本物の野菜が連動しており、リアルな無農薬野菜の栽培ができる。同時に、現地の農園で生産者(農家)に実作業を依頼することができ、「自分の野菜」として育てることができる。

ともあれ、複合事業による収益の向上を図る考えは理解できる。しかし、主力の化粧品事業をさらに成長・発展軌道に乗せていくのか、その戦略が見えない。

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