【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【18】モアコスメティックス① ~サロン専売のモアコスメティックス、洗浄成分で特許取得~

2016.09.20

特集

編集部

モアコスメティックス株式会社(大阪府堺市、社長亀田宗一 氏)は、1995年に化粧品、医薬部外品の製造・販売事業を目的に設立。以降、サロン専売の化粧品メーカーとして、顧客から信頼される商材をサロンに提供しながら、サロン経営の発展に繋げている。

同社がベンチャー企業として注目を浴びたのが近畿大学との合同研究で、頭皮の洗浄成分「ラウレス-3酢酸アミノ酸」(界面活性剤)を発見し、2012年に特許を取得したことによる。

特許取得は、シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤及びそれを含む化粧料の提供。
解決手段としてメントール、ネオメントール、イソプレゴール、メントン、プレゴン、イソピレリテノン及び1,4-シネオールなどの群から選択される少なくとも1種を有効成分として含むシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害剤、並びにCOX-2阻害剤を含み、有効成分の含有量が重量の0.001~100%である化粧料を内容としたもの。

ラウレスー3酢酸アミノ酸実験データラウレス-3酢酸アミノ酸は、酢とアミノ酸を使って作った洗浄成分。同成分を配合して商品化したシャンプー洗浄成分のラウレス-3酢酸アミノ酸の効能試験(データ図)では、細胞を青紫に染め、その色が残っているほど細胞が破壊されていないことを示している。

上段のラウレス-3酢酸アミノ酸と下段の精製水は色がそのまま残っているのに対し、中段のラウリル硫酸ナトリウムは、青紫がなくなっている。
上段のラウレス-3酢酸アミノ酸と下段の精製水は、色がそのまま残っていることは、細胞を青紫に染めている色が残っているほど細胞が破壊されていないことを示す。

この結果から、髪の主成分のたんぱく質に対して刺激が低いことが分かった。また、ヒト培養表皮モデルを用いたヒト表皮細胞の生存度テストでは、各洗浄剤を添加して30分放置。その後、染色剤で染色すると細胞が青紫色になる。この色の変化を測定し、ヒト細胞の生存を測定した。

こうした実験データから特許成分のラウレス-3酢酸アミノ酸の生存率が92.9%、ラウレス硫酸ナトリウムの生存率が51.4%という結果が得られた。

同社は「一般的なシャンプーによく使われる硫酸系洗浄剤に対し、特許を取得した酢酸系洗浄剤は、低刺激性で泡立ちも洗い上がりの質感も良いうえに、環境にもやさしいのが大きな特長」としている。

特許成分配合のシャンプーや白樺の樹液から抽出した化粧品類は、大半がサロン専売品として開発しサロン向けに販売している。

サロン専売品にこだわるのは、サロンを保証機関に位置づけながら髪、肌の効果、安全性等を訴求。同時に、対面販売することで信頼性の高い商材を提供することで美容室の利益向上と成長・発展に繋げる狙い。

 

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