【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【25】ビーロード② ~株式公開をターゲットに事業を展開~

2016.10.25

特集

編集部

ビーロードは、ベンチャー企業として株式公開をターゲットに事業を展開している。特に「差別化戦略を構築するためには、多様なネットワークの形成が不可欠」として同社は、地域産業クラスター事業参加による産学官連携のる製品開発をバネに、企業同士が連携して新製品開発に取り組む連携体構築による化粧品開発を実現している。

中小企業庁は、新連携活動促進事業を制定し、異分野の中小企業が有機的に連携して経営資源(技術、販路等)を有効に組み合わせながら新事業活動を行うことにより、新たな事業分野の開拓を図る取り組み(新連携)について支援する制度を行っている。
同制度は、ベンチャーや中小企業が新事業の具体化を図るため、自己の優れた経営資源(技術、販路等)を持ち寄り、企業、研究機関、NPO、組合等と連携体を構築する取組に要する経費を補助するもの。

同社は、従来からドラッグストア向けPB商品の開発に伴い、製造委託を行ってきたヘアケア企業と容器製造のノウハウを持つ2社と連携体を組み、季節限定のヘアケア製品を開発した。
季節限定のヘアケア商品は、季節ごとに配合成分を変えたシャンプーとコンディショナー。肌と同様、髪が受けるダメージは、季節によって異なる。季節ごとに対応した製品がないことに目を付け、春は水分補給、夏はUVカット、秋冬には栄養補給や保湿といった機能を付加して、春、夏、秋冬シーズン向けの3種6アイテムを商品化した。
同商品は、化粧品の卸売業として同社が全国各地のドラッグストア向けに販売。生産数量は、各アイテム5万本とし、一定期間で売り切る計画を立てた。その結果、ヘアケアに関心の高い女性を中心に人気を集め、どのシーズン製品も完売するほどの実績を上げた。
同社にとって連携体によるシャンプーやコンディショナーの商品化は、初の取り組みで、新たなビジネスモデルとして評価されている。

こうした一連の大学での研究開発のシーズ探索や技術導入、連携体構築による新製品開発など、ベンチャービジネスの取り組みによる成長事業をにらんで株式公開にも意欲的。すでに、京都のベンチャーキャピタル(VC)から投資を受けて、事業資金に充当した。引き続き、事業資金は旺盛で、VCからの投資意欲は強い。

果たして北陸金沢から株式公開企業が躍り出るか、成長の軌跡に期待するところきわめて大きい。

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