【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【33】天然新素材科学研究所② ~キトサンの誘導体開発、化粧品・代理店販売を強化~

2016.11.25

特集

編集部

天然新素材科学研究所は、エクセルキトサンの開発に続いてキトサンの誘導体で、両親媒性の機能を持つ天然多糖新素材「エミーヌシリーズ」(エミーヌ6Qシリーズ、エミ―ヌOSFシリーズ)などの化粧品新成分を開発した。

エミーヌシリーズは、カチオン性官能基(アミノ基)によるイオン吸着効果、疎水基である天然脂肪酸によるアンカー効果という“ダブル効果”により、皮膚や毛髪にしっかりと留まり、洗っても落ちにくい「長時間滞留型うるおいベール」を実現した。さらに、多糖構造内に天然脂肪酸が直接結合していることから、皮膚や毛髪と良くなじみ、バリア皮膜を形成する。6Qシリーズは、ヘアリンス、ヘアトリートメント、パーマ剤等に配合する。また、OSFシリーズは、スキンケア全般、UVケア、入浴剤等に配合する。

同社は、こうした一連の化粧品素材や新規機能性キトサン誘導体を活用した化粧品を開発するため、2008年度の静岡新産業集積クラスター研究開発助成事業(補助金)に応募して採択された。
同集積クラスターは、天然の植物から機能性を持つ新素材を開発する一大集積地の形成を目指すもの。経産省の産業クラスター形成事業を自治体が行うことを位置付けて推進している。

エミーヌC60シリーズ同社は、助成事業に採択されたことを契機に「エクセルキトサン」(2015年に新成分エミールに変更)配合の化粧品「エミーヌCスキンケアシリーズ」(写真)と「エミーヌCヘアケアシリーズ」を相次いで開発し、市場に投入した。

エミーヌCスキンケアシリーズは、洗う、整える、補うの3つのコンセプトに基づいて、ナチュナルソープ(洗う)、モイスチャーローション(整える)、リフティングエッセンス(補う、美容ジェル)を開発した。また、ヘアケアシリーズとしてコンディショニングシャンプー、ヘアーコーティングミスト(整髪料)を開発した。

 ここへきてこれまでの化粧品通信販売に加えて、フランチャイズチェーン(FC)形態による代理店販売に力を入れるため、代理店の募集を始めている。

代理店の条件として法人、個人は問わないが、
①現在と過去に化粧品の販売に携わっていた
②営業や店舗経営で、上質な商材を探している
③副業として化粧品の販売を考えている
④化粧品会社OBの方などにお勧めで、FC契約は不要。

ともあれ同社は、エクセルキトサン、乳化薬液(原液)や新成分「エミーヌシリーズ」、化粧品「エミーヌスキンケアシリーズ」の販売、各種天然物を活用した抗菌、抗カビ、抗ウイルス等薬理的機能に応じた薬液の選定及び開発・分析受託、原料OEM業務に取り組むなど、新素材開発メーカーとしての事業形態を色濃くしている。

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