【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【45】ベル・ク-ル研究所① ~ハンドメイドの化粧品づくり、海外13ヵ国と取引~

2017.01.12

特集

編集部

株式会社ベル・ク-ル研究所(北海道札幌市、社長 柴田昌之氏)は、昭和60年に個人事業主として柴田技術研究所として創業。平成2年に化粧品製造業の許可を取得後、平成5年4月に法人化するとともに化粧品輸出入の許可を取得した。

%e3%83%99%e3%83%ab%e3%83%bb%e3%82%af%e3%83%bc%e3%83%ab%e7%a0%94%e7%a9%b6%e6%89%80%e3%81%ae%e7%a0%94%e7%a9%b6%e9%96%8b%e7%99%ba%e9%a2%a8%e6%99%af道内で最古参の技術開発型化粧品メーカーとして現在、研究所での皮膚の表面解析(写真)や脱毛などの毛髪解析研究をはじめ、基礎化粧品、OEM化粧品、エステ・理美容サロン等の業務用化粧品、輸出専用化粧品(OEM),健康補助食品、医薬関連商材など多様な事業を展開している。

化粧品事業の特徴は、防腐剤や合成着色料、合成香料などを一切使わない商品を開発し、顧客に対する最適な化粧品を作るオーダーメイド化粧品や小ロットでも対応可能なOEM化粧品を自社工場内でハンドメイド生産している点に特異性がみられる。
研究所に隣接した工場での化粧品生産は、小ロットでのOEM製造を行っていることもあり、製造数に合わせて機材を使い分けている。

注文数の多い品物は、機械を使用するが、注文数の少ないものについては、極力ハンドミキサーなどで手作り生産している。また、製造した化粧品は、粘度計で粘度を測り、それまでに製造したものと感触の違いが出ないよう厳しくチェックしている。特に、OEMの試作品は、全て一つ一つ手作りで作業を進めている。

充填工程でも、一部の注文数が多い商品については、半自動の充填機を使い、人の手で微調整しながら生産している。しかし、様々な容器、容量に対応するため、ラベル貼りを含めてほとんどが手作業で行っている。

工場内の設備ではないが、UVクリームの紫外線防御指数値(SPF)を測るSPFアナライザーや皮膚解析、毛髪解析に使用する電子顕微鏡、頭皮の状況を見るためのマイクロスコープなどの機材を導入しておりこれらの機材によって得られたデータは、化粧品開発・製造に役立っている。

こうしたハンドメイド生産による化粧品を現在、通販と代理店を介して皮膚科、美容皮膚科、整体・鍼灸院、美容サロンなどで販売している。
販売は、国内だけに留まらない。OEM化粧品の海外販売にも力を入れている。すでにミャンマーや韓国、ベトナム、ロシアなど13の国々と取引している。

「化粧品は、飲食物と同じように、国による好みや習慣が大いに表れる。人種による皮膚の仕組みの違いや肌の悩み、化粧品に求める効能の違い、化粧品の用途の違いや概念の違いまで様々な”違い”が存在する」―。

こうした点を踏まえて同社は「海外での違いを理解し経験を有する当社が引き続き顧客の販売に役立てる力になる」と強みを説く。

#

↑