【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【50】ウィズアルファ② ~理美容サロンと提携しかつらを拡販~

2017.02.10

特集

編集部

ウィズアルファは、インドネシアの生産工場と直接契約し、原価の削減を図るとともに、採寸と納品を提携の理美容サロンに外注するというビジネスモデルを構築した。また、同社のかつらつくりは「既製品のかつらではあわない」「地毛のように自然に見えるかつらが欲しい」等のニーズに対応した完全オーダーメイド。しかし、人の頭の形状や色、髪の密度等は、人それぞれに違う。

このため、同社は、全国の理容室・美容室と提携してぴったり合った製品を着けてもらうために、理美容室でのフィッティング、フォローなどの技術を習得してもらい、かつら製作サービスを提供している。
こうしたヘアショップの理容師・美容師は、髪のプロフェッショナル。そんな髪のプロフェッショナルを集めて技術講習会(写真)を定期的に開催し、カツラの技術や経験を共有化するための情報交換を行なっている。
技術講習会では「部分かつらで、顧客の自毛とかつらをなじませることが必要。これは、フィッティングをしたその日だけカッコよくできればいいというものではない。髪の毛は、1ヶ月に1センチくらい伸びるといわれるが、ショップの理美容師は、この1ヶ月間に自然に見えるようにカットする方法を見出して相互に研鑚しながら技術向上に取り組んでいる」という。
同社がかつら事業を展開するうえでトラスト(TRUST)認証を取得して、かつら利用者のプライバシー保護を励行している点も大きな特徴。

かつらを利用するユーザーは「信頼(TRUST)できるウエブサイトから電子商取引を行いたい場合、第三者がそのウエブサイトが信頼できるかを審査し、適正である場合には、その証としてウエブサイトにTRUST マークの掲載を許可するという認証制度。1997年にアメリカで生まれた。
現在、TRUST プログラムは、米国をはじめOECDプライバシー原則、EUセーフハーバー協定、APEC越境プライバシールールに準拠しており、世界中で信頼のマークとして利用されているグローバルなセキュリティマーク。

同社はTRUST認証に伴い、ユーザーの個人情報保護、プライバシー保護に関連した約束事を自ら課すとともに約束事を守る「自己管理」を徹底してユーザーとの信頼を深めている。

こうした理美容師と一体となって技術の底上げとTRUST プログラムの励行を図りながら現在、オーダーメイドかつら(男性用、女性用、医療用)をインターネット販売するとともに、全国約33ヵ所の理・美容サロンで拡販している。

同社は、2009年9月に経営革新計画の承認を受けているが、理美容サロンでのかつら販売が今後の成長発展に欠かせない。理美容サロンにITを導入してかつらの需要増加と収益力を図る競争力アップに期待がかかる。

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