【連載】医薬・創薬企業の化粧品事業⑤免疫生物研究所 ~子会社ネオシルク化粧品が化粧事業を担当~

2017.06.9

特集

編集部

株式会社免疫生物研究所(群馬県藤岡市、ジャスダック上場)は、1982年9月に基盤技術の抗体作成技術の研究開発型企業として創業。以来、現在まで35年間にわたって抗体の作成技術を基に開発した研究用試薬や体外診断用医薬品等を国内外のアカデミア研究者や医薬関連企業等へ販売する「診断・試薬事業」をはじめ、遺伝子組換えカイコの繭から有用なタンパク質を産出する技術を使って研究用タンパク質の受託生産、共同研究契約、抗体受託サービス等を行う「遺伝子組換えカイコ事業」、及び高速液体クロマトグラフィーを用いた独自分析技術によるリポタンパク質プロファイル分析業務の測定受託サービスを行う「検査事業」、それに「化粧品関連事業」の4事業を中心に事業展開している。

この中で化粧品関連事業は、子会社で連結決算対象の株式会社ネオシルク化粧品(群馬県藤岡市、2013年11月設立)が担当している。
ネオシルク化粧品は、親会社の免疫生物研究所が開発した「ネオシルク®・ヒトコラーゲンⅠ」(化粧原料)を市場で拡販する目的で設立した化粧品と化粧品原料の販売会社。
遺伝子組換カイコの特許技術を用いて製造される「ネオシルク®・ヒトコラーゲンⅠ」は、人のⅠ型コラーゲンと同じアミノ酸組成(α(Ⅰ)鎖)を持つヒト型タンパク質で、ヒトが持つⅠ型コラーゲンを構成する3本螺旋の内の1本のα1(Ⅰ)鎖と同じ構造を有している。
アレルギー疾患を持っている人の抗体と特異的に反応する抗原「アレルゲン性」を有しているとされるα2(Ⅰ)鎖を含まない為、アレルゲン性が低いと考えられており、アレルギー反応試験でも実証済み。従来の動物性コラーゲンに代わってより安全で安心な製品作りが可能。

原料の販売と合わせて、同化粧品原料を使用して処方にこだわった化粧品「フレヴァン」(写真)を2014年7月から通販市場に投入し販売している。現在、通販市場での販売アイテム数は、約9品目にのぼる。
同社は、ここへきてフレヴァンの販売強化策として、広告活動により獲得した新規顧客へ継続してダイレクトメールや電話によるアウトバウンド等の活動を実施。また、大手ドラッグストアでの販売を始めている。
同社は「これまで主に通信市場主体に直接消費者に販売してきたが、ここへきて展示会への出展や営業活動により化粧品の知名度が向上したことで、国内や海外からの引き合いが増加してきた」という。
このため、北関東・信州・東北などのドラックストアでの販売に力を入れて取り組むとともに、海外での販売展開も視野に入れて現在、海外代理店を模索中。

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