【連載】医薬・創薬企業の化粧品事業⑥第一三共ヘルスケア(上) ~買収などで化粧品通販を強化~

2017.06.19

特集

編集部

第一三共株式会社(東京都中央区)の化粧品事業等を行っているのが、子会社「第一三共ヘルスケア株式会社」(東京都中央区)である。
三共株式会社と第一製薬株式会社の経営統合に先立ち、2005年12月に両社のヘルスケア事業の統合を目的に設立した。
事業内容は、風邪、発熱などのOTC医薬品(一般用医薬品)やスキンケア、オーラルケア(口腔衛生)、食品など幅広い事業を展開しトータル・ヘルスケア企業の実現を目指している。

化粧品事業については、2012年7月にスキンケアシリーズ「ダーマエナジー」のテストマーケティングを開始したのが始まり。
現在、通販市場とドラッグストアなどの一般流通市場において美白有効成分の「トラネキサム酸」を配合した「トランシーノ薬用スキンケアシリーズ」(8品目)やアミノ酸配合の「アノモイストシリーズ」(12品目)などを中心に合計20品目(アイテム)を販売している。
同社の業績は、2017年3月期で総売上高が667億円に達する。この内、化粧品事業の売上高は非公表だが、これまで買収による通販の強化を図ったことが奏功して明るさが感じられる状況。

同社は、化粧品通販の強化策として、2015年10月に通販会社の株式会社アイム(香川県高松市)を買収し傘下(子会社)に収めた。
アイムの全株式を保有するエムシーピースリー投資事業有限責任組合(MCP3)からアイムの全株式を取得し子会社化したもの。
アイムは、スキンケアブランド「ライスフォース」を軸に化粧品通販を展開。マーケティングノウハウに加え、物流基盤やコールセンターなどの顧客サポートも確立していた。
さらに、アイムは、2014年1月にグループ組織再編の一環として事業を承継した新会社「株式会社jコンテンツ」(東京都品川区)を 設立し、アイムの子会社とした。jコンテンツは、化粧品、医薬部外品、補正下着などの通販会社。
第一三共ヘルスケアにとってこうした買収などによる化粧品通販事業の強化で、通販事業の再構築を図るなどここへきて国内での化粧品通販事業が奏功している状況にあり、取り巻く環境は明るい。

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