【連載】医薬・創薬企業の化粧品事業⑥第一三共(下) ~中国とタイに進出しスキンケア化粧品を拡販~

2017.06.20

特集

編集部

第一三共ヘルスケアの化粧品事業をさらに後押しして成長軌道に乗せている動きが中国、タイでの化粧品販売だ。

海外展開の第一弾は、2016年8月に敏感肌・乾燥肌向けスキンケア化粧品「ミノンアミノモイスト®」シリーズを中国法人の「第一三共(中国)投資有限公司」を通じて販売。また、中国に続いて2017年3月に「ミノン アミノモイスト®」シリーズを「マンダムタイ」を通じてタイ国内で販売を始めた。

中国とタイで販売を始めた「ミノンアミノモイスト®」シリーズは、皮膚科学に基づき、健やかで美しい肌に欠かせないアミノ酸に着目して開発した低刺激性処方のスキンケア化粧品。デリケートな肌を保護することに加えてキメやハリ、つやのある肌に導く。日本国内では、2009年に市場投入し「敏感肌・乾燥肌に悩む消費者の支持を得てきた」という。

中国での販売に踏み切ったのは、「スキンケア市場の成長が続いており、なかでも機能性の高いスキンケア化粧品が求められる傾向にある。このため、同シリーズを投入し、健やかで美しい肌を望む現地消費者のニーズに応えることにした」。
一方、タイでの販売は、同社がミノン アミノモイスト®シリーズをタイへ輸出し、マンダムタイ(1990年4月設立)がタイにおける輸入・販売およびプロモーション活動を行うもの。
タイでの販売は、同社にとって初の東南アジア進出、海外展開としては、昨年8月の中国に続き2ヵ国目となる。

タイのスキンケア・基礎化粧品市場規模は、2007年の約350億バーツから2012年には約507億バーツへ約45%拡大(タイ化粧品製造協会調査)している。2012年の化粧品市場全体(約663億バーツ)に占めるスキンケア商品の割合は約76%に達する。特に、アンチエイジング商品の割合が高くスキンケア全体の約46%を占める状態。

こうした市場において今後、同社は、敏感肌向けスキンケア化粧品の需要が高まるタイにおいて、消費者のニーズに呼応してミノン アミノモイスト®シリーズの需要拡大に繋げていく方針。

同社の海外展開に伴う化粧品事業がどの程度、伸ばすことができるか、海外展開の成果が注目される。

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