【連載】医薬・創薬企業の化粧品事業⑦ゼリア新薬 ~イオナ等と化粧品事業推進、直接販売を強化~

2017.06.21

特集

編集部

ゼリア新薬工業株式会社(東京都中央区)は、医薬品と化粧品を含むコンシューマーヘルスケアを両輪として事業を展開している。そうした中で、化粧品事業については、コンシューマーヘルスケア事業部と企業買収したイオナインターナショナル株式会社(東京都中央区、イオナ=子会社)及び通販子会社が相乗効果を発揮しながら、三位一体となって収益の向上に取り組んでいる。

ゼリア新薬の化粧品分野への参入は、2006年に自前で開発したコンドロイチン配合の化粧品「ジージー・シーシー」を通販チャンネルで販売したのが始まり。2年後の2008年10月に化粧品事業を経営の柱にするため、「イオナインターナショナル」を買収して傘下(連結子会社)に収めた。

以降、イオナ買収から約9年を経た現在までに、通販や一般流通市場向けにシンプルスキンケアの「イオナシリーズ」(写真)をはじめ、真皮のコラーゲン線維に密着して保水効果をもたらすコンドロイチン配合の「イオナ f」やハーブと海草の混合エキスなどの植物エッセンス配合の自然派スキンケア「イオナ VIE」、美容室専用品「イオナ サロンリミテッド」、通販専用シリーズの「イオナ R」などのスキンケアブランドを相次いで市場に投入した。現在、こうしたスキンケアブランドの販売については、販売部門を決めて行っている。

ゼリア新薬のコンシューマーヘルスケア事業部は、ドラッグストアに対して「イオナ f」と「イオナ VIE」を直接販売。また、イオナは「イオナ」と「イオナ サロンリミテッド」についてドラッグストアや薬局・薬店、量販店、美容室向けに代理店を介して卸販売し、店頭販売を行っている。子会社「ゼリアヘルスウエイ」(東京都中央区)は、通販向け化粧品「イオナ R」の販売を担当する布陣となっている。

ここへきてコンシューマーヘルスケア事業部が行っているドラッグストア等に対する直接販売について、営業力の強化に打って出ている。
昨年秋に「広告の力で売るのではなく、ドラッグストア、薬局・薬店などの小売企業や消費者との関係を深く構築し、推奨販売で売り上げを伸ばしていく」との方針に基づき戦略を転換し、首都圏エリアを中心に直接販売の営業強化に打って出ているもの。

直接販売の強化策は、メインチャンネルのドラッグストア等に対して
①ドラッグストア本部への営業強化
②ドラッグストア店舗での商品プロモーション活動の推進
③得意先との協働関係の構築など。
ドラッグストア本部への営業強化策は、大規模な企画の際、新商品の売込みや売り場展開、販促内容についてバイヤーと打ち合わせを行なうなど販売網の強化を図る。また、店舗での商品プロモーション活動は、こまめに店舗回りを行って納品交渉、売り場作り、販促商談等を店長・化粧品担当者に提案。さらに、営業活動を通じて得意先との協働関係を築いて行く。

こうしたなグループの強みを発揮しながらシナジー効果を高め、化粧品事業のさらなる成長・発展に繋げていく考え。

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