【連載】医薬・創薬企業の化粧品事業⑰森下仁丹 ~子会社エムジェイラボ中核に化粧品事業展開~

2017.07.24

特集

編集部

森下仁丹株式会社(大阪府大阪市)が化粧品分野に本格参入したのは、2011年11月に100%子会社の株式会社エムジェイラボ(大阪府大阪市、連結対象)を設立してビューティケア事業(製造・販売)に本格的に打って出たのが起源。独自の研究から生まれたビフィズス菌を素材として活用した高機能スキンケアについて、引き続き成長拡大を図る余地が大きいことと同時に、ヘアケア製品などを新たに開発して販売手法の見直しによる対象顧客の拡大を図るなどして、収益に繋げるとの判断による。

同社が通販専用の基礎化粧品新ブランドとして最初に投入したのが、従来のビフェーナ化粧品に独自成分「ビフィズス菌産生多糖体」(BPS)と15種類の機能性成分を配合して刷新した「ビフィーナBPSLAB」シリーズ(写真)。洗顔石けんや化粧水など7アイテムを2010年5月から通販市場に投入・販売した。

独自成分の「BPS」は、ビフィズス菌研究から生まれたウォータープロテクション成分で「肌の表面に水のベールを作って角層内に水分を蓄えるとともに、外的な刺激から肌を守る」。

このBPSLABシリーズの販売を中心に据えながらアンジェス株式会社(大阪府茨木市)との間で2012年8月に化粧品の販売に関して共同プロモーションを行うことで合意。アンジェスヘルスケアサイエンス株式会社(大阪府大阪市、アンジェスの子会社)が企画開発したオリジナルブランド「リビエージュ」化粧品をエムジェイラボのカタログ・オンラインショップを通じて販売した。

しかも、自社開発化粧品の販売意欲は強くさらに、勢いを増した。2012年9月に美容液クレンジングシリーズ「ココプル」を全国のドラッグストアに投入。2012年10月ヘアケアシリーズ「パーフェクトアンサーシリーズ」の新たなラインナップとして「モイスト&グロス クリームジュレ」を販売。2013年2月には、ノンシリコンシャンプー「グロッシーピクシー」を、全国のドラッグストア、スーパーマーケット等で販売した。

2013年10月には、ボディエマルジョン「プリドール」を、全国のドラッグストア、スーパーマーケット等に投入した。2015年1月には「レスキューシリーズ」4商品を通販市場に投入するなど新製品の投入は極めて活発。

ここへきて「越境EC」販路の中で、中国人向け旗艦サイト「LOHACO」の「天猫」ではブランド「ラビス」から展開している「目もとパックシート」と「口もとパックシート」に需要が高まっている。

エムジェイラボを中核にBt0Cとして取り組む通信販売と問屋を介した流通卸の両輪で化粧品事業に取り組んでいる。新たな事業の柱として化粧品事業が確実に育ってきた証を開示することがそろそろ必要な時期にきている。

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