ドラッグストア各社の化粧品事業③スギホールディングス ~PBと共同開発の化粧品売上150億円規模に~

2017.08.10

特集

編集部

スギホールディングス(愛知県大府市)は、連結子会社のスギ薬局を中心に医薬品・健康食品・化粧品・日用品等を販売するとともに、処方箋調剤や地域の医療関係者と連携した在宅医療、訪問・居宅等の看護事業に取り組む。

こうした事業展開の中で化粧品事業は、自社企画(PB)と化粧品メーカー等と共同開発した合従連衡による化粧品を市場に投入している点に特徴がみられる。

現在のPBブランドは、S-SELECT、S-LUMIE、S-Uniqueの3ブランド。3ブランド合わせた販売品目数(アイテム数)は、120アイテムにのぼる。また、化粧品メーカーと合従連衡して共同開発した化粧品は、ラシェリエ、マイモイスチャー(写真)の2ブランド、販売品目数は、8アイテムを数える。

ラシェリエは、同社のビューティスーパーアドバイザーとコーセーが、製品の使用感やパッケージ、香り、ネーミングなど全ての工程において意見を出し合い共同開発に繋げた。
共同開発した理由は、両社とも将来のロイヤルユーザーとなる20〜30代を取り込んでいきたいという狙いによる。スギホールディングスは「シニア世代が増える中、大きなマーケットとなるシニア層を取り込んでいくことはもちろん、将来の顧客となる若年層の新客獲得も同時に行っていくことが、今後生き残っていく上で重要になってきた」との判断による。共同開発では、両社がコンセプトを出し合いながら、コーセーの持つ高い技術力を生かして開発に繋げた。

第2弾の合従連衡による化粧品開発は「マイモイスチャー」。同社とノエビア傘下の常盤薬品工業が共同開発した敏感肌の悩みに対応した自然派センシティブスキンケアシリーズ。
マイモイスチャーについて同社は「敏感肌スキンケアの要望に着目し、低刺激性・高保湿・ほんのりした香りで、スキンケアを楽しんでもらえることを考え開発した」という。マイモイスチャーの特徴は、さくらエキス、ハト麦発酵液、黄金根エキスなど8つの天然成分を配合。アルコール(エタノール)・着色物・鉱物油等は一切使用していない。また、アレルギーやバッチテスト、使用試験、使用時の刺激性試験などの安全性は実証済。

現在、ラシェリエとマイモイスチャーは、ドラッグストア1048店舗(2017年2月期)で販売。通販では、販売していない。

総売上高(2017年2月期)4307億9500万円に占める化粧品売上高(PB化粧品+メーカブランド化粧品売上合算)は150億556万円、売上構成比率は、3.5%となっている。

同社は今後、PB化粧品の強化策として悩み解決系商品の拡充(敏感肌・フケ痒み・育毛シャンプー)を図り収益向上に繋げていくほか、既存ブランドの集約化(S-SELECTへ集約)や別途ブランドの立上げなどを検討し、化粧品事業をさらに成長の軌跡に乗せていく方針。

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