幹細胞コスメの最近のトレンド日本メナード、幹細胞研究に拍車 ~色素幹細胞研究でシミ発生原因等を解明~(中)

2017.11.21

特集

編集部

日本メナードは、長年にわたる幹細胞の研究に取り組む中で、メラニンを生成する色素幹細胞(メラノサイト)がシミを発生させる原因の究明や発生メカニズムの解明、肌の透明感が低下する原因等について明らかにするなど大きな成果を上げている。

同社は、色素幹細胞の研究を進める中で、メラニン生成に関わる細胞の数が増えていることを発見。また、シミのある部分に特異的に分泌している物質があることを突き止めた。
シミのある部分とない部分の肌のメラニン生成に関して、色素幹細胞、メラノブラスト、メラノサイトの3つの細胞の数を比較した。その結果、全ての細胞がシミのある部分で多く存在していることがわかった。(メラノサイトは、皮脂腺の下にある「バルジ」と呼ばれる領域に存在する色素幹細胞から生まれ、「メラノブラスト」というメラノサイトの前駆細胞を経てメラノサイトに分化成長する) 。
特に、シミのある部分では、表皮細胞から「WNT1」というタンパク質が分泌され、シミのある部分に多く分泌されていることを突き止めた。同時に「WNT1」というタンパク質が分泌される要因として、WNT1の遺伝子を制御している部分の「メチル化」が関わっていることも突き止め、WNT1はシミのある部分で恒常的に分泌されていることが判明した。

こうした研究からWNT1は、紫外線などの刺激を継続的に受けることによって表皮細胞から分泌されるようになり、合わせて色素幹細胞を刺激して色素幹細胞を増殖させ、色素幹細胞からメラノブラストへの分化を促進する作用があることが分かった。その結果、色素幹細胞とメラノブラストを増やし、最終的にメラノサイトの数が増え、それによってメラニンが過剰に生成されるようになり、シミが発生することを解明した。
いわば、メラノサイトは、紫外線の刺激を受けるとシミのもとになるメラニン色素を作る。しかし、シミは、メラノサイトがたくさん存在するからできるのではなく、メラニン色素を作る能力が高いメラノサイト(過剰生成メラノサイト)が刺激を受けると必要以上にメラニン色素を肌の細胞へ渡すことでできてしまう。シミができる主な原因は、この過剰生成メラノサイトの存在に起因することを明らかにした。(図にメラノサイトのメラニン生成能力を示す)

 

 

#

↑