【連載】大手化粧品会社の研究④ノエビア化粧品の会社研究 ~2020年9月期、売上高600億円目標~(下)

2018.02.9

特集

編集部

ノエビア、常盤薬品、ボナンザ等のグループ各社を含むノエビアグループの化粧品販売は、カウンセリング化粧品、セルフ化粧品及びその他化粧品に分かれて販売している。

カウンセリング化粧品の販売は、ノエビアが担当している。ノエビアと「委託販売契約」を締結している販売代理店を通じて化粧品を販売しており、これらの販売代理店は、顧客に直接販売する対面販売を行っている。直接契約を締結する販売代理店が販売を行った時点で売り上げが計上される。
主力商品の基礎化粧品については、毎期、夏と冬の年2回「スキンケアフェア」を実施しており、同フェアがその期間に対応する売上高、利益に重大な影響を与える。また、主要な販売代理店がレッスン型サロン「ノエビアビューティスタジオ」を展開している。

セルフ化粧品は、常盤薬品工業において事業展開しており、主に卸を通じてドラッグストア、バラエティショップ等に販売を行うほか、全国の皮膚科、医療機関等を通じて販売している。
表にノエビアグループ各社の事業位置づけとセグメント等との関連を示す。

こうしたグループ各社が販売する化粧品の研究開発は、2013年にノエビアと常盤薬品工業の研究部門を統合した総合研究所が中心となって行っている。また、北海道暑寒別岳パイロットファームから南大東島海洋研究所まで日本各地に研究施設を設け、美容効果の高い独自の植物成分を探求するなど創業来からの植物研究に加え、脳科学研究や遺伝子研究、神経科学など研究領域の拡大を進めている。さらに、2015年4月に未来型コミュニケーションラボ「東京研究所」を開設し、外部研究機関と積極的な交流を図るとともに産学連携による先端科学研究を強化している。

ところでノエビアHDは、2018年から2020年までの3ヵ年中期経営計画を策定した。
同計画では
①日本におけるイノベーションと持続的利益創出
②海外でのブランド価値向上と市場拡大
③人材、組織の多様化とグローバル化
④ものづくりの競争力強化
⑤ 変化に対応できる経営の推進の5つのテーマを打ち出した。
これら5つのテーマに取り組むことで2020年9月期に売上高600億円、営業利益20億円、株主資本に対する当期純利益の割合(ROE)15%を実現する計画。

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