【連載】大手化粧品会社の研究⑩ハーバー研究所の会社研究 ~海外代理店通じネット販売を強化~

2018.03.9

特集

編集部

ハーバー研究所は、化粧品の製造・販売と栄養補助食品等の製造・販売を主な事業として取り組んでいる。研究開発と商品開発は、同社の生命科学研究所が担当。化粧品の生産体制は、主にハーバー株式会社(北海道苫小牧市)で製造しているほか、ハーバーコスメティクス株式会社(千葉県香取郡)、株式会社HプラスBライフサイエンス(東京都千代田区)及び外部委託会社で製造している。栄養補助食品等については、ハーバー株式会社で製造するほか、同社グループが指定した仕様で外部業者に製造を委託している。

一方、化粧品の販売体制については、同社及び株式会社HプラスBライフサイエンスにより、通信販売のほかに百貨店向けや販売業者向け卸売販売、直営店舗での販売等を行っている。主力の通信販売の受注は、主に北海道札幌市と広島県福山市のコールセンターで実施。商品の発送は、主に千葉県香取郡多古町と広島県福山市の物流センターにおいて、ハーバーコスメティクス株式会社が行っている。
2017年3月期における販売ルート別売上実績(総売上高に占める売上比率)は、通信販売53.7%、金額ベースで86憶6300万円、百貨店向け卸売り13.8%、同22億3000万円、その他卸売り26.4%、同42億5500万円、全国の直営ショップ「ハーバー」等での売り上げ6.1%、同9億8200万円となっている。

同社の店舗展開は、2種類ある。1つは、カウンセラー付の販売店「ハーバー」で、2017年3月末現在の店舗数が76店舗(直営店は24店舗)にのぼる。もう1つは、商品だけを売っている取扱店で合計178店舗を数える。大部分がイトーヨーカ堂等のスーパーやロフトなどの専門店で取り扱っている。同社の事業系統を図に示す。

ここへきて同社は、アジア各国をはじめとする海外の販売代理店への営業活動を強化している。現地におけるネット通販を中心にしたインターネットの領域でマーケティングやプロモーション活動を強化しているもの。
同社は現在、化粧品の海外での売上規模が大きくなってきており、既存の陣容では、カバーしきれなくなってきた。特に、海外営業では、商品を海外に紹介していく業務はもちろんのこと、輸出入に関する手続き、海外ビジネスでの法整備などの実務に加えて、ネット販売が重要な位置を占めてきている。 今後、中国、アジアを中心として海外市場に力をいれる。
中長期的に国内、海外合わせて売上高200億円の実現をめざすとともに、売上高経常利益率を早期に20%台に持っていく。

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