【連載】化粧特許と知的財産権①コスメディ製薬、マイクロニードル、財産権活用で収益生み出す(下)

2019.05.10

特集

編集部

コスメディ製薬は、特許化したマイクロニードル技術を化粧品開発に生かし、知的財産権としての収益を生み出した。
同社は「塗るだけで浸透しにくい有効成分や美容成分を角質層のバリアを突破して肌に深く浸透させるマイクロニードル技術を用いて「高分子のままのヒアルロン酸を数百ミクロン単位の小さな針に結晶化するヒアルロン酸マイクロニードルの工業的製法を確立」。これまでにない革新的な技術を使って毛髪剤や局部麻酔等のマイクロニードル化粧品を2008年11月に市場に初めて投入した。

以来、2012年10月には、目もと用マイクロニードル化粧品「クオニス ダーマフィラー プレミア」を販売。2015年7月にブライトニング用「さくらはく」を販売。2017年5月に育毛用「ファーサ」を通販やモール型ショッピングサイト「コスメディモール」等のチャネルで販売した。
直近では、2018年11月に既存品と比べて持続率が約1.4倍アップした新商品のスキンケアブランド「クオニス ダーマフィラー プレミア」(写真)を市場に投入・販売している。

マイクロニードルは、同社にとって重要な技術だが、その他にも経皮吸収をキーワードにした年着剤や測定装置等を開発して特許を取得している。起業当初は、他社との共同出願が多かったが現在では、技術の一部を公開せずにノウハウ化している。

一般的に医薬品に関する知財戦略は、後発医薬品に対する防衛の意味合いが強い。ベンチャー企業では、広範囲に大量の特許を張り巡らせて参入障壁を高める大企業のような戦略をとることは難しい。
そこで同社では、限られたコストであっても知財活動を最大限に効率化させていくために、勝てる知財の特定とスピーディーな出願を重視。ベンチャー企業ならではのスピード感のある研究開発や社長・研究者・知財部が一体となった意思決定を活かし、いち早く新薬等を開発してマーケットを勝ち取ろうという「マーケットオリエンテッド」戦略を展開している。
ただし同社は、実践に活用できる特許の取得を目指し、出願案件のほとんどを自社で対応している。
これは基本技術、周辺技術を把握しながら開発を進めるためであり「知的財産の根幹の部分は外部に任せるのではなく自社で対応する」との基本的考えによる。
特許の財産権活用として同社は、ニプロとの間でマイクロニードル技術の製品化に向けた独占的ライセンス契約を締結(2015年7月)した。また、資生堂は、2011年春に医科向け化粧品として販売したマイクロニードル化粧品について「国際化粧品技術者会連盟」において発表し、最優秀賞を受賞。マイクロニードル技術及び製品の優秀性を内外に高らかに示した。
ところで、コスメディ製薬の業績は、2018年3月期で約32億8000万円に上る見込み。社員数は、2019年1月で約230名に上る。現在、上場の呼び声が高く株式公開に向けた社内準備に入っている。

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