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コーセー、加齢に伴う真皮エラスチン線維の変性メカニズムを解明

株式会社コーセー(東京都中央区)は、星薬科大学 組織再生学研究室の輪千浩史教授との共同研究により、加齢に伴う真皮エラスチン線維(弾性線維)の変性は、小胞体シャペロンBiP産生量の減少による、フィブリリンの形状変化が原因であることを明らかにするとともに、アスタキサンチンがこの小胞体シャペロンBiP遺伝子の発現量を高めることを見出した。

今回、同一人物由来の加齢モデル細胞系列のうち、老齢細胞(62歳)と若齢細胞(36歳)を用いてフィブリリンの線維形状を比較したところ、老齢細胞では部分的に凝集し、不均一なフィブリリン細線維構造が確認された。

また、細胞が作り出すタンパク質を網羅的に解析した結果、老齢細胞はタンパク質のクオリティーをコントロールする小胞体シャペロンBiP産生量が減少していることが明らかとなった。そこで、若齢細胞のBiP遺伝子を人為的に減少させたところ、老齢細胞と同様な、凝集したフィブリリンの線維構造を形成することが確認された。

これらの結果により、加齢に伴いフィブリリンのクオリティーが低下し、細線維の形成不良が起きることが示唆される。これは、小胞体シャペロンBiPの産生量を高め、フィブリリンのクオリティーを向上させることが、加齢による真皮エラスチン線維の変性を改善し、皮膚のハリ弾力向上へつながると考えられるとしている。

これまでコーセーでは、アスタキサンチンに活性酸素の中でも特に老化に影響のある一重項酸素に対する優れた消去効果と、コラーゲンの変性を抑制する効果を見出している。そこで今回は、老齢細胞にアスタキサンチンを添加したときの真皮エラスチン線維形成への効果を検討した。

この結果、アスタキサンチンに小胞体シャペロンBiP遺伝子の発現量を有意に増加させる効果を見出した。すなわち、アスタキサンチンは加齢した細胞において、フィブリリンのクオリティーを向上させ、真皮エラスチン線維の変性を抑制し、改善する可能性があると考えられるとしている。

今回の研究で得られた成果は、今秋発売の新商品へ応用していく予定だ。

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