スギの雄花への着花を抑制する薬剤の有効性を確認

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2021.02.8

編集部

理研ビタミン株式会社(東京都新宿区、社長 山木一彦氏)は、国立研究開発法人理化学研究所(以下、理化学研究所)有本特別研究室の有本特別招聘研究員(研究当時。現、名誉研究員)との共同研究により、化成品用改良剤を主成分とする薬剤に、スギの雄花への着花を抑制する効果があることを確認した発表した。

春先になると発症するスギ花粉症は、飛散するスギ花粉の量による影響が大きい。花粉はスギの枝先にできる「雄花」の中でつくられるため、その前年にできた雄花の数が関係する。

同社は2010年から共同研究を始め、天然由来脂肪酸のエステルを主成分とした薬剤(RC-0100)のスギ雄花着花抑制試験は今回が2回目。これまでも他の脂肪酸エステルを使用した着花抑制効果の研究はあったが、本剤は100倍希釈で使用するため散布濃度が低く、より少ない薬剤で効果を確認した。

<試験概要>
・試験は林業薬剤協会委託試験として、2019年・2020年の2ヵ年にかけて、埼玉県寄居林業事務所と共同で実施
・樹齢44年のスギ立木6樹を供試木として、7月から8月にかけてそれぞれの木の1/2程度に計3回薬剤を散布
・比較するために同じ木の1/2程度に薬剤を散布しない対照区を設定
・散布後、10月に効果の調査を実施。比較結果は下記写真を参照
・雄花の着花抑制効果は2ヵ年ともに95%以上であると確認された
・薬剤散布による樹木への薬害は発生しておらず、下草など周辺植物にも影響は確認されなかった

同社は、薬剤(RC-0100)は実用上の薬害がなく、周辺の植生への悪影響も認められなかったことから、スギ花粉の飛散量抑制に役立つと期待できるので、農薬としての登録を目指したいとしている。

参考リンク
理研ビタミン株式会社

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