【連載】この中小化粧品会社に注目㊾プロテックス・ジャパン(上)~自然派化粧品のOEM事業に力~

2021.04.1

特集

編集部

株式会社プロテックス・ジャパン(京都府相楽郡)は、1994年6月にプロテックス・ジャパン研究所として創業(個人)し、自社開発の化粧品やヘアケア製品等の製造やOEM 受託生産等の業務を手掛ける。1998年1月に現法人を設立し化粧品OEM企画・受託生産事業に乗り出す。1999年8月にヘアケア化粧品「ハホ二コ」を開発し販売。また、2016年11月には、約3憶円を投じて愛媛県北宇和島の「森の國ファームファクトリー」内に化粧品・化粧品原料の新工場を建設し竣工させた。これにより工場は、京都と愛媛の2場体制となった。

現在、同社の主力事業は、サロン専売・業務用ヘアケア製品の自社ブランド「ハホニコ」や「カオラ」の販売事業。
ハホニコは、プロ向けの美容室専売品(トリートメント、縮毛矯正剤、パーマ剤等)とホームケア(シャンプー、トリートメント等) がある。ハホニコは、美容師向け販売、ホームケアは通信販売となっている。

カオラは、薄い層状(ラメラ構造)を肌に再現した肌トラブル防止のスキンケア。
ラメラ構造とは、セラミドなどから構成される細胞間脂質で構成されており、肌の水分の蒸発や外的ダメージから肌を守るバリア機能を果たしている。ラメラ構造の構築は、角層バリアの形成に必須となっている。
この肌に本来備わっているラメラ構造に着目してカオらを開発したもので、その構造を肌に再現する事で、肌本来の力を引き出し、トラブルを起こさない肌に近づけた。しかし、自社ブランド商品にどのような機能を持つ成分が配合され、どんな効能、効果があるのか、エビデンスを明らかにすることが求められる。

こうしたスキンケアのサロン等向け販売と合わせて同社が力を入れて取り組んでいるのがOEM事業。
OEM事業は、最近、年齢とともに気になる人が増える体臭に対応するエイジングケア機能を付与した製品の受注が増えてきたことから原料メーカーと協力して新しい価値の製品づくりを進めている。さらに、京都本社工場でハラール認証を取得した。ハラール対応商品は「清潔」や「安全」も求められるため「エコ」や「安心・安全」の1つの基準として提案し、ムスリム受注に加えて国内需要の拡大も図っていく方針。

同社は、2016年11月に愛媛新工場を操業し「農業のように化粧品を作りたい」をグローバルミッションに掲げ、原料栽培から製品づくりを一貫して行うオーガニックコスメのOEM事業を本格始動するなど自然派化粧品を前面に押し出した新たなOEM事業展開に取り組んでいる。

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