【連載】化粧品各社のイノベーション研究【5】株式会社コタ④ ~関東圏市場の拡大が課題~

2015.12.11

特集

編集部

株式会社コタは、今期も継続して「旬報店システム」を軸としたコンサルティング・セールス」とトイレタリーの販売を中心とした「店販戦略」を通じて、取引先美容室の業績向上と主力ブランドの「コタ アイケアシリーズ」の拡販を図って収益の向上に取り組む。
こうした一連の継続した施策が奏功し、今期(2016年3月期・非連結)の業績は、収益が大幅に伸長する見通しで、売上高65億円(前期比5.1%増)、営業利益11億500万円(同12.5%増)、経常利益10億9100万円(同13.6%増)、当期純利益7億3000万円(同16.6%増)を見込む。

同社は、目標とする経営指標として経常利益率15%以上、自己資本利益率(*ROE、株主資本に対する当期純利益の割合)10%以上の目標値を定めている。
経常利益率は、2014年3月期、2015年3月期とも15%台で推移しているが、今期(2016年3月期)は16.8%に高まる見込み。また、株主から預かった資金を使ってどのくらい効率的に稼いだか、を見る自己資本利益率は年々上昇し、今期は目標値を上回る11.9%と12%台近くまで高まる見込み。

この経営目標値を継続して達成するため、同社の中長期経営戦略は
①美容室の来店客に対するカウンセリングや店販の推進を引き続き積極的に提案。取引先美容室の業績向上による経営の近代化を図るとともに、それをサポートする製品開発に取り組む
②競合他社にはない独自のビジネスモデル「旬報店システム」を軸としたコンサルティング・セールスと、トイレタリーの販売を中心とした「店販戦略」を引き続き推進し、競合他社との差別化を図り、取引先美容室の業績向上に寄与する
③ 関東市場の開拓を強化する

この中で首都圏を中心とした関東圏市場の開拓は、同社の更なる発展にとって重要なエリアと位置づけて攻略を図る。
引き続き、代理店や直販力を生かしながら「旬報店システム」を軸としたコンサルティング・セールスの拡充を図り、関東圏での新規美容室の獲得に繋げて行く計画。
関東圏での新規美容室の攻略を具体的にどのように進めるか、現時点では今一つ明らかでない。しかし、同社の関東圏テコ入れによって、今後、関東圏市場での美容室争奪戦が展開されるのは必死だ。同社の前期旬報店件数は1492軒、今期は1600軒に増加する見通し。
表に株式会社コタの業績と経営指標を示す。
無題

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