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【18】モアコスメティックス② ~ビジネスモデルの要諦、販促活動にアンケート活用~

モアコスメティックスは、2007年に白樺樹液の抗酸化作用や副作用の少ない抗炎症剤を開発して化粧品に応用。これまで開発したスキンケア化粧品は「ジュエキ」のブランドで商品化し、サロン向けに専門販売している。1年後の2008年には、ラウレス-3酢酸アミノ酸を配合したシャンプーを「バーデンス」のブランドでサロン向けに投入した。現在までに商品化したサロン向け専用スキンケア化粧品とシャンプーは、合わせて約27品目に上る。

社員が営業活動する中で販促の要諦として採り入れているのが、アンケートによるビジネスモデルの確立。

同社がアンケートを採用したのは、サロンにいるスタイリストを介して製品の良さをいかに顧客に伝えてもらうか、を考えて編み出した。

「販促活動の手法としてアンケートに答えてもらうだけで、顧客に自社製品の特長、魅力がダイレクトに伝わり、導入・拡販につながるなど効果は大きい」と強調。また「サロンによっては、アンケートの導入に迷いを見せるところもある。しかし、アンケートは、本当に良いものを提案できる販促ツールになっており、ビジネスモデルとして積極的に活用している」と説く。

サロン専用の販売形態は、全国の県単位に総代理店を置き美容室、エステサロンに卸販売している。

こうしたアンケートによる販促、卸販売等が功を奏して、この3年間の売上高推移は、2013年6月期4億2000万円、2014年6月期4億4000万円、2015年6月期4億8000万円となっている。

同社の社員数は約40名で、研究室と工場を保有している。特に、研究開発に関しては、国の補助金を活用して新製品開発に積極的に取り組んできた。

これまで国の補助金を活用して取り組んだ主な研究開発は、2013年から2014年の2年間にわたって経済産業省の研究補助事業「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発」に関する研究助成として、「お酢系洗浄剤に関する特許を活用した製品製造」が補助金の交付を受けた。また、2013年に「植物香気成分の抗炎症作用を活用した新規香粧品の開発」が中小企業技術革新制度に採択されるなど、研究開発に賭ける意欲は高い。

引き続き、安心安全な製品の提供をモットーにして化粧品メーカーとしての責務を果たしていく方針。

 

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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