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【43】ユニクス① ~細胞外基質を活用した化粧品等の事業化を目的に独立開業~

ユニクス株式会社(神奈川県横浜市、社長 竹林貴史氏)は、大手化学会社チッソで約30年間、バイオ系エンジニアとして細胞外基質の研究と製品化に取り組んできた竹林社長が、2012年5月に独立開業して会社を興した技術開発型ベンチャー。

%e3%83%a6%e3%83%8b%e3%82%af%e3%82%b9%e3%80%8c%e3%82%b3%e3%83%a9%e3%83%bc%e3%82%b2%e3%83%b3%e3%80%8d細胞外基質とは、生体を構成する体細胞の外側にある線維状や網目状の構造体のこと。主な細胞外基質としてコラーゲン(写真=細胞外基質の主成分。主に脊髄動物の真皮、骨などを構成するたんぱく質)やヒアルロン酸(身体に含まれる多糖類の1種)、プロテオグリカン(多糖類を含むたんぱく質。細胞間を繋ぐ役割を持つ)などが、代表的な素材として知られる。

細胞外基質は、細胞と細胞の間を満たし、生体組織を支持するだけでなく細胞の増殖・分化・形質発現(DNAの遺伝情報が細胞の形質や機能として現れてくること)の制御などにも重要な役割をはたしている。

この人体にとって不可欠な細胞外基質は、これまでの研究で、適切に使用すれば健康上、大きな恩恵を受ける一方、細胞外基質を使った製品が人体にアレルギー反応を引き起こすとともに、ウイルスの混入や臭気などの問題を抱えるなど、化粧品や医療品業界では、より安全な素材を羨望する状況にあった。

そこで、リスクや問題点がなく保湿性、耐熱性が従来のコラーゲンに勝る化学合成で製造した人工コラーゲンを使って新たな化粧品や医薬品等を開発し、市場に提供することで、アトピーなどの皮膚疾患に苦しむ人や病気、ケガに苦しむ動物ペットとその飼主などに対して、安心・安全な素材と商品を提供する目的で独立開業したもの。

現在、一般的に「三大細胞外基質」と呼ばれるコラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンをベースとした高付加価値製品を開発・製造・販売し、収益確保と業容の拡大を図ることを基本戦略に据えながら
①機能性化粧品、医薬部外品、および関連製品の開発と製造販売
②ペット用医薬品、医薬部外品、医療材、雑貨、および関連製品の開発と製造販売
③ヒト用医薬品、医薬部外品の開発 などを主体に事業を展開している。

こうした基本戦略に沿って製品群の開発計画として、第1弾(2016年から2019年)を人工コラーゲンと製品群の開発、第2弾(2020年から2023年)は弾性を有するエラスチンの加工技術と製品群の開発、第3弾(2021年以降)がヒアルロン酸を加えた組成技術と製品群の開発など、スケジュールに沿った工程表を作成して新製品開発に取り組むことを決めた。
いずれも、コスメ事業で培ったナレッジ(知識・知見)をペット医療に活用し、そこで獲得したナレッジをメディカル事業で活用することで、業容の拡大と経営基盤の強化を図るのが狙い。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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