花王株式会社（東京都中央区）は、微細化した炭酸によって肌が持続的に弱酸性に保たれると、角層中の接着因子デスモグレインの分解が促進され、角層のターンオーバーが正常化し、肌がなめらかになる可能性があることを新たに発見した。

研究によると、炭酸を微細な泡として存在させると、製剤中の炭酸が高濃度で持続するため、角層への浸透性が向上する。これにより、一般的な有機酸配合製剤と比較して、pHを持続的に弱酸性の状態に保つことを確認した。

さらに、肌表面のpHを持続的に弱酸性に保つ製剤を用いることにより、角層中のプロテアーゼ活性が高まり、接着因子デスモグレインの分解が促進されることが明らかになった。この現象から、不要な角層の堆積が解消されるという、新たな表皮ケアにつながることが期待される。

炭酸は、身体によいとされる炭酸泉に含まれるが、炭酸泉には血管を拡張し、血行を促進する作用があることが知られ、ヨーロッパでは、古くから炭酸泉浴が行われている。乾燥や過剰な皮脂に由来する皮膚のトラブルにも重用されており、歴史的な実績のある信頼性の高い方法だと考えたとしている。

今回の研究成果は、「第30回IFSCC Congressミュンヘン大会」（2018年9月18日～21日開催）にて行なった発表内容の一部となる。