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㉓マ―ナーコスメチィックス(下)~イスラ―ム認証コスメ、国内外で強化~

マ―ナーコスメチィックスは、自社ブランド化粧品、OEM化粧品等にアルコールや豚などの原料を一切使用していないハラール認証化粧品を開発し、国内、海外向けに販売していることも事業の特徴といえる。
同社は、シャンプー類で初めて日本イスラ―ム文化センターからハラール認証を取得。2015年6月に岩手県くりこま高原藤沢工場で生産を開始し、ハラール認証コスメのOEM事業をスタートした。
くりこま高原藤沢工場は、フランスの国際オーガニック認証機関「エコサート」の認証も取得しており、ハラール認証と合わせて高品質の保証を担保するなど存在感を高めている。

ところで、ハラール認証を取得したシャンプー類は、アルコールや動物性の原料を一切使用せず工場の製造から保管まで管理されていることがハラール認証につながった。
ハラール認証コスメについて同社は、開発当初「コラーゲンやアルコール不使用できしみ感がなくしっとりとした手触りに仕上げるのに苦労した」という。
特に、洗顔料やシャンプーなどに使用する原料についてプラセンタやヒアルロン酸に宗教上禁止されている豚の成分が入っていることもあることから、パッケージの確認や原料メーカー等に問い合わせをするなどして商品化に繋げた。
原料面以外では、異物混入が難点で、ハラール製品用の窯を設置しないと解決できないなど専用ライン製造の初期投資が大きくのしかかった。

同社は、ハラール製品に関して自社ブランド、OEMともに推進しているがハラール化粧品の需要を喚起し、受注拡大に繋げるため、国内企業向けにオンライン形式のハラール認証セミナーを実施した。
セミナーでは、イスラム教徒がインターネットや本などでは情報収集できないハラールの概要やハラール化粧品の企画から製造までの工程、ハラール認証などについて分かりやすく解説した。
現在、同社は、ハラール認証コスメについて国内のインパウンド需要やOEM受託に加えてマレーシア、シンガポール、中東などのムスリム圏向けに輸出している。

今後、同社は、研究開発分野で、セラミドの乳化粒子を生成させる「液晶乳化」技術を用いた新しい処方開発の推進に取り組む一方、約11万人に上る在日ムスリム人口を対象としたハラールコスメの販売強化やイスラム圏に対するメイドインジャパンの高品質コスメの訴求等を図ってOEM受注の輸出拡大に取り組む方針。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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