美容業界におけるYouTubeのダイナミズム—米 Pixability社調査

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2014.04.11

国際部

米コスメティック市場の消費者は記録的な件数で動画(YouTube)を見ているが、メジャー・ブランドの製品の販促、利用方法と効果、さらには企業のPR関連のビデオなどは素通りされているという調査結果を米デジタルメディア開発&リサーチ会社 Pixability(本社:マサチューセッツ州ボストン)はこのほど発表した。

調査は YouTube、Facebook、Twitterなどのソーシャルメディアソースからビューティ業界に関連した情報を分析するためPixabilityのビッグデータ解析ソフトウェアを活用した。

美容業界では168におよぶビューティブランドが約4万5千の YouTubeサイトを運営しており、ヘアケア、スキンケア、メイクアップ、ネイルに関する87万7千ものビデオを提供している。 今回の調査では、総計149億回のビューティ関連動画の再生があったが、その中、主要ビューティブランドが投稿した動画の再生率はわずか3%だという。YouTubeの利用者は若い年齢層が主流であるが、ブランドに拘らず個人のニーズを埋める情報を収集していることが浮き彫りになった。同社が発表した YouTube がビューティ業界に影響を与えるダイナミズムは次の通り。

ティーンエイジャーはブランドや広告代理店に挑戦: 大規模な広告予算を投じ、ハイエンドのクリエイティブな作品に仕上げた大手メーカーのビデオコンテンツより10代の少女が自分の部屋から撮ったコンテンツに人気が集中する。 YouTubeのvloggers(ビデオ投稿者)は YouTube上で繰り広げられる美しさに関連するトピックスの会話の97%を制御している。

YouTubeはライフスタイルのユーティリティの一部: YouTubeの利用時間の調査では、東海岸と西海岸で朝の通学/出勤前の時間帯と夕方の外出前の時間帯にノンブランドのビューティ関連のYouTubeの利用件数がピークをむかえる。検索トピックスはメイクアップとヘアスタイルが最大でノンブランドのチュートリアルを見ることがライフスタイルの中に組み込まれているのではないかと推定できる。一方、主要ブランドが提供する YouTube やビデオの利用時間にピークは見られず利用件数は一日中平均している。

テレビ広告のメンタリティーは通用しない:これまでテレビCMなどでヒットしたようなメディア・メンタリティーを適用してもYouTubeでは利用者の関心を掴めない模様。 YouTubeのトップ25のビューティvloggersは、主要なブランドチャンネルのコンテンツよりも平均して2600%以上のコメントを受け取っている。大手メーカーがテレビCMをYouTube用に編集して投稿した場合、再生件数は予想をはるかに下回る結果が出たという。

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