インド・中国・マレーシアにおける女性管理職の実態調査

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2014.12.1

編集部

ASEAN、アフリカ、中東、中南米など新興国市場リサーチに特化したSpire Research & Consulting社 (シンガポール)は、インド、中国そしてマレーシアの3ヶ国の女性経営者および管理職について調査レポートをまとめ発表した。

d11809-2-100599-5日本では女性経営者や管理職の登用など「女性の社会的地位」「働き方」が注目を浴びているが、アジアの新興国においても同様に女性管理職の数は増加傾向にあり、女性の社会進出や働き方に注目が集まっている。しかし、先進国と同様、もしくはそれ以上にその国ならではの話題や問題を抱えており女性たちがキャリアアップやワークライフバランスについてストレスを抱えていることが多い。そこで同社はインド、中国、マレーシアの女性300人の経営者および管理職を対象に働く上でのストレスや悩み、課題について調査を行った。

調査結果から、女性管理職が考えるキャリアアップの障壁は大きく分けて「勤務体制の多様性の欠如」「ライフワークバランスの不均衡さ」「男女差別問題」の3点であることがわかった。

教務体制についてフレックスタイムや在宅勤務など働きの多様性が必要であると応えた女性たちはインド44%、マレーシア55%、中国46%と半数近かった。
各国の「ワークライフバランス」について質問したところ、「ワークライフバランスがとれていない」と応えたのは中国85%と最も高く、マレーシアは43%、最も低かったのはインドで12%という結果になった。
職場における男女差別問題は中国が顕著に結果として出た。出世や昇進などキャリアアップへの男女差別を意識しているのは中国:42%、インド:21%、マレーシア:35%となった。

以上のことから、3国共通で女性のキャリアアップには勤務体制の多様性が求められていることが分かった。フレックスタイムや在宅勤務など家庭と両立しやすい勤務体制により、ライフワークバランスがとりやすくなりそれがキャリアアップにつながると考える女性管理職が多いことが明らかになった。またインドでは、男子校の卒業生で構成される「オールド・ボーイ・ネットワークの存在」で情報が女性を含めた外部に共有されないことが問題であるという人が38%いた。

また、管理職についている女性のロールモデル(模範となる女性)について伺ったところ、インドでは51%、中国では23%もの女性たちは「ロールモデルがいない」と答えた。 今までの世代には女性管理職が周りにいなかったことが分かった。 ロールモデルがいると答えた女性たちは女性ジャーナリストやすでに活躍している女性CEO、またマレーシアでは「母や姉」など身近にいる人を挙げたことが特徴的だった。

現状の仕事環境をどのように改善したいのでしょうか?の問いに対しては、大きな共通点として、女性が出産・育休後に同じ地位に復帰することを求めていることがわかった。(中国 57%、インド 63%、マレーシア 47%)
また、インド人女性に関しては「男女差別とハラスメント社内ホットラインの設立」を26%が求めており、実際に差別にあっている女性が多くいることを示唆している。

今回の調査から、アジアの女性のキャリアアップには、ワークライフバランスがとりやすい勤務体制の柔軟さが必須であること、また出産などのライフイベントを経てもポジションが確保できることが望まれていることが浮き彫りになった。

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参考リンク
Spire Research & Consulting

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