化粧品各社、訪日観光客の爆買いに色めく

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2015.04.2

編集部

化粧品各社や新規化粧品分野に参入した企業が、相次いで中国人を中心とした訪日観光客の爆買い対策に乗り出している。自社の直営店舗を免税売場にして、爆買いを誘因。また、大手小売業と合従連衡を組んで店頭販売に力を入れるなど、訪日観光客に照準を合わせた化粧品の拡販に力を入れている。

化粧品分野に新規参入したヤマダ電機は、東京都港区新橋に初の免税専門店「LABIアメニティー&TAX FREE 新橋銀座口店」を4月中旬、オープンする。店舗全体を免税専門店としたのは珍しいケース。中国や台湾、タイなどの観光客を呼び込んで、根強い人気の薬や日用品などと合わせて高品質のコスメ、美容関連商品を品揃えして売り込む。さらに、男性用に特化した化粧品・理美容製品コーナーに加えて、AGA(育毛・発毛治療)クリニックも開業する。

ファンケルは「銀座スクエア店」などの免税品売り場で、2カ国語以上を話す店員を大幅に増やして爆買いに対応。コーセーは、セブン&アイホールディングス(HD)と合従連衡し、海外観光客が訪れるセブンイレブンの1部コンビニ店舗で、コ-セー開発のスキンケア「せっきすい」の販売を始めている。また、ファンケルと共同でスキンケア化粧品を開発したセブン&アイHDは、2014年11月から全国のセブンイレブンや西武・そごうなどの店舗で、化粧品販売に乗り出している。免税売場も開設するなど海外の観光客に対応している。資生堂は、東京、大阪などの一部店舗で英語と中国語、タイ語で商品を紹介するiPadを設置、観光客の利便性に呼応している。

ジェトロでは、「日本の高級ブランド化粧品は、品質が良く観光客が購入する上位商品になってきた」と評価・分析する。

爆買いに乗り遅れまいと、海外観光客の取り込みに思案を巡らす化粧企業も見られる。スクロール(名証2部上場)は、「引き続き円安局面と東京オリンピック開催に向けて訪日観光客が増える」と予想。子会社を中心に観光客の取り込み策について具体的検討を始めた。

中国人の爆買い_(4)2014年に日本を訪れた外国人観光客数は、1340万人(観光庁調べ)と過去最多になった。中でも、中国からの訪日観光客数は、前年比83%強増加するなど、爆買い(写真)の中心を占める。

消費税導入で国内の化粧品消費が伸び悩む中で、訪日観光客の大量消費に期待する声は大きい。引き続き、化粧品各社の爆買に色めく動きは、熱を帯びそうだ。

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