【連載】化粧品各社のイノベーション研究【3】ハウスオブローゼ③ ~経営指標は営業利益率重視~
2015.11.27
編集部
株式会社ハウスオブロ―ゼの前期(2015年3月期)における商品別販売実績は、スキンケア化粧品51億1700万円、メイクアップ化粧品10億6000万円、ヘアケア・ボディ・バスプロダクツ43億6800万円、化粧雑貨品11億6400万円、リフレクソロジー9億6300万円、その他7億7500万円の合計134億5000万円となっている。
このうち、スキンケア、メイクアップ、ヘアケア・ボディ・バスプロダクト合わせた売上比率は、総売上高の約72%を占めている。
店舗展開は、全国の駅ビル、ファッションビル内の専門店や有名デパートのバス用品販売コーナーなどへの出店とともに、立地条件に即してリラクゼーションサロンなどを採り入れ、店舗の複合化による新業態店(写真)を展開するなど新しい取り組みも積極的に進めている。
2015年3月期末時点での店舗数(表)は、ハウス オブ ローゼ254店舗(百貨店155店、専門店99店)、リラクゼーションサロン29店、カーブス20店舗、パートナーショップ159店舗(ローズショップ55店、チェーンショップ104店)の計462店舗にのぼる。
化粧品の開発は、商品企画グループや外部協力メーカーが連携して成分の選定から処方開発までを一貫して行っている。商品開発の基本は、天然植物、ミルク由来などから抽出したエキスを配合して肌に負担をかけない処方が特徴。生産は外部に委託生産している。
同社は、こうした自然派化粧品を店舗スタッフがいかに売り上げを上げるか、店舗スタッフ一人当たりの売上高を最も重視している。
この結果を表わす経営指標が営業利益率(収益性を判断する指標で本業における利益を表す)で、同社が重視している経営指標といえる。
前期(2015年3月期)の営業利益率は、0.2%で、中期経営計画の最終年度である今期(2016年3月期)までに営業利益率4.5%を目標としている。しかし、今期は、前年比、増収増益を見込んでいるが、営業利益率は3.1%になる見込みで4.5%達成は難しい情勢。
同社の2014年3月期を初年度とした2016年3月期までの3ヵ年中期経営計画は、「美しさと健康と快適な生活を願う人々のために、優れた商品と真心のこもったサービスを提供する」という経営理念のもとに、主力事業であるスキンケア・バス・ボディケア商品等の物販事業において多くの女性に支持される店舗及び商品開発に注力し、安定的な売上増及び利益増を目指す。また、リフレクソロジー事業「カーブス」のフランチャイズ事業を中心としたサービス提供事業の売上拡大を図り、第2の主力事業として確立したい考え。