【連載】化粧品各社のイノベーション研究【26】アジュバンコスメジャパン① ~7000店を超えるサロンで化粧品専売 今期売上高51億円見込む~

2016.05.30

特集

編集部

株式会社アジュバンコスメジャパン(兵庫県神戸市、東証1部)は、1990年4月創業の美容室・理容室・エステティックサロン専売の化粧品メーカー。同社と連結子会社のアジュバンコスメティック、イノベ―ション・アカデミー、中国・香港法人「ADJUVANT HONG KONG COMPANY LIMITED」(2013年7月設立)の4社でグループを形成している。また、化粧品の生産は、外部に委託するファブレス形態を採る。

イベント風景連結子会社のアジュバンコスメティックは、親会社アジュバンコスメジャパンの営業本部や商品開発コンサルタント会社、それに製造委託会社と連携を図りながら商品の企画・開発を担当。
また、イノベーション・アカデミー(写真)は、サロンの経営支援強化を目的としてA・C・S(=アジュバンチェインサロンシステムの英文表記の頭文字)サロンスタッフ向け技術研修の実施、インストラクターの育成と各種セミナーへの講師派遣、商品開発とマーケティングなどを主業務としている。
中国・香港の子会社「ADJUVANT HONG KONG COMPANY LIMITED」は、香港1号店として2014年1月にショッピングモール「ISQUARE」にオープンし、日本国内とは異なり一般消費者に直接販売する事業モデルを展開。2017年3月期の中期経営計画完了の期間までに5~10店舗の出店を目指している。

現在、国内における主力商品のスキンケアとヘアケアの販売形態は、同社の営業部隊(営業本部)が直接、サロン等へ販売する直接販売と、56社(2016年3月現在)の代理店を介してサロン等に販売する代理店販売の2形態を採用。

取引サロン数は、2016年3月現在で、直販サロン960店、代理店サロン6237店の合計7197店(A・C・S登録店数)にのぼる。また、同社から初回に10万円以上の仕入れを行い、商品の案内方法等を定めたA・C・S加盟規約を尊守することを確約した契約サロンA・C・S登録7197店に対して、商品の説明及び販売知識、施術の提供などを行い、それを踏まえてサロンの美容師がカウンセリングを行いながら消費者に対面販売している。

最終消費者への販売拠点として約7000 店強にのぼるA・C・S 登録サロンのうち、約1000店を同社の営業担当者が直接カバーする直販サロンで占める。残り6000 店は、営業担当者等が代理店を介してカバーする代理店サロンという構図。

同社の前期(2016年3月期連結)業績は、スキンケア、ヘアケアの売上が前年同期比減少した半面、同社初のカラー剤が前年同期比23.7%増となった。しかし、特損を解消するまでに至らず売上高44億100万円(前期比-2.3%)、営業利益6億4700万円(同-11.8%)、利益2億6600万円となった。
今期(2017年3月期連結)業績は、サロン店のカウンセリング強化、キャンペーンの推進などで、売上高51億3500万円、営業利益7億6800万円、利益4億500万円を見込んでいる。

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