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胃の中で膨らむバルーンで肥満治療

国際会議である米国消化器病週間(Digestive Disease Week)がカリフォルニア州サンディエゴにおいて、5月21~24日に開催された。この会議で、嚥下したバルーンを胃の中で膨らませて食欲を抑えるというthe Obalon six-month balloon systemが発表された。

臨床試験の参加者は、全米15カ所からの387人。カプセルに入ったバルーン3個を飲み込み、その後250cm3の窒素系ガスを充てんした。対照群では砂糖を充てんしたカプセルを3個飲み込んだ。バルーンを飲み込んだグループでは平均7%の体重を落とすことに成功した。そして、研究者らは、実際の状況ではより多くの減量が期待できるとしている。また、減量による血圧、コレステロール値などの他の健康指標の改善も報告された。

試験報告論文の筆頭著者でワシントン大学医学部のShelby Sullivan氏は「バルーンシステムは、ライフスタイルの変更のみの減量に比べ、約2倍の減量効果があった。減量はなかなか難しく、多くの人が目標達成に成功していないので、この結果は重要である」と述べている。また、「このバルーンシステムは、中程度の強度に設定したライフスタイル療法よりも効果的である」と、実用性もあることを示唆した。

今回の臨床試験で使用されたバルーンthe Obalon six-month balloon systemは、人工膨満装置と呼ばれるもので、カリフォルニア州カールスバッドに本社を置くObalon Therapeuticsの製品。人工膨満装置にはEndalis Laboratory、Allerganなど多くのメーカーがあり、手術なしでできる次世代の肥満治療として注目されている。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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