【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【38】ユニリサーチ② ~男性用脱毛症薬の開発に取り組む~
2016.12.14
編集部
ユフリサーチが開発したα リポ酸改良のαリポ酸誘導体は、肌の老化、シミ、肌荒れ、しわの原因とされる活性酸素(フリーラジカル)を強く消去。さらに、チロシナーゼ活性を強く阻害するとともに、シミ予備軍(メラニン中間体)の酸化・重合を抑制させることによりメラニン(シミ、ソバカス)産生を防ぐ機能を有している。
αリポ酸誘導体の化粧品への国内基準配合は、上限0.5 %、αリポ酸が0.01 %となっている。
こうした美容に関係するメラニンの合成を抑えるαリポ酸誘導体の特徴を生かして同社は、化粧品として商品化に踏み切り、第1弾として2006年6月にアンチエイジング化粧品「フレックレス ホワイト」(U-Fineホワイトシリーズ=スキンローション、クリーム)シリーズを販売。以降、現在まで、消費者のニーズに応じる形で「U-Fine Noahトラベルセット」、「U-Fine Noah」、「U-Fineプラチナ」を相次いで、マーケットに投入した。
販売チャネルは、ネット通販と一部の代理店を介して薬局・薬店、化粧専門店などで販売している。
同社は、現在、大分大学での研究プロジェクトに基づき、新規合成リポ酸誘導体や新規合成グルタチオン誘導体を用いて炎症性疾患やがんに対する新しい医薬品の開発、脱毛防止薬ならびに美白薬などの医薬用部外品原料の開発を行っている。
「これらの新しい誘導体には、抗がん剤副作用の脱毛を強く抑える効果があり、新規薬剤の開発と提供は、がん患者のQuality of lifeの向上に寄与する」ことから力を入れて取り組んでいる。
同社の次のターゲット商品は、男性型脱毛症(写真=AGA)の開発。現在、男性型脱毛症で悩む人は、全国で1260 万人に上る。
男性型脱毛症は、思春期以降の男性に生じ、前頭部の髪の生え際の後退、あるいは頭頂部の髪のボリュームの低下によって地肌が見えやすくなる症状が起こる。
現在、製薬、化粧品、かつらメーカーなどが激しい開発競争を展開している中で、実用化にメドがつけば事業の成長発展に寄与することが大きい。今後の開発に大きな期待がかかる。