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森永製菓、化粧原料パセノール、肌改善を試験で実証(下)

森永製菓は、2006年から健康美容市場拡大を見据えて独自素材を探索するプロジェクトを開始し、素材としての魅力が高いものや機能性を発揮する可能性があるものとしてパッションフルーツに着目。2013年には、パッションフルーツの種子に「レスベラトロール」(長寿遺伝子とも呼ばれるアンチエイジング素材)と似た構造を有するアンチエイジング成分「ピセアタンノール」が豊富に含まれていることを突き止めて濃縮、精製し、そのエキスを「パセノール」と命名した。
特に、ピセアタンノールの機能性について、体内吸収性がレスベラトロールの2倍高いことやレスベラトロールに劣らない長寿遺伝子「サーチュイン」(SIRT1)の発現誘導作用、血管保護作用があること。また、糖代謝改善作用、神経細胞分化作用、肌のたるみ改善作用、オートファジー調節作用など様々な機能性を解明するなど、サーチュインを介した幅広い効果があることを実証試験で明らかにした。

大学との共同研究によるパセノールの肌への効果試験では、健常人で疲労感を感じるヒトおよび肌のシミ、しわ、たるみ、乾燥、くすみが気になるヒト24名に対しパセノール(ピセアタンノール10mg含有) を配合したドリンク(グラフ参照)またはタブレットの効果試験を行った。飲用前、摂取1カ月後、2カ月後に肌のたるみ、はり (のびや粘弾性)、メラニン量、明るさについて測定装置を使って評価した結果、パセノール配合したドリンクまたはタブレットを摂取することで継時的に口もとのたるみや肌の張りなどが改善された。このことからパセノールを配合したドリンクまたはタブレットを継続して摂取することで、肌の状態が改善していることを示した。

パセノールは、昨年10月から食品原料として販売したのに続き、今年(2017年)1月から化粧品原料として代理店を介して化粧品メーカー等へ販売を始めた。今後も独自素材「パセノール」の可能性を広げるための研究を積極的に進める方針。

同社がパセノール配合の化粧品開発と通信販売、化粧原料の代理店販売など新規に化粧品分野に参入したのは、森永乳業との経営統合が白紙に戻ったとはいえ、引き続き、独自に経営基盤を強化していく必要に迫られていることが主因。しかし、2015年4月に組織化した専門部隊の新領域創造事業部が新規事業の化粧品事業にどの程度の牽引力があるか、未知数である。

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