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ポーラ化成、肌のシワ、たるみを改善する皮膚再生の研究開発に力①

株式会社ポーラオリビスホールディングス(東京都中央区)のグループ会社で化粧品等の研究開発、製造を行うポーラ化成工業株式会社(神奈川県横浜市)は、肌のシワやたるみ等を改善する皮膚再生の研究開発に力を入れて取り組んでいる。
シワやたるみ等の皮膚再生を研究する体制は、横浜研究所の研究開発部門である研究企画部が中心となって開発研究部、肌科学研究部、品質研究部、生産技術部などの各部が連携しながら推進。同時に、研究開発テーマごとに組織を再編して弾力的に取り組んでいる。
開発研究部は、スキンケア、メイクアップに関する新しい原料基材、特殊成分、剤型の開発及び顧客のニーズに応える短期的な製品開発を推進。また、肌科学研究部は、基礎研究の視点による有効素材の開発を担当。品質研究部は、安全性、安定性の設計及び評価を担当。生産技術部は、容器包装材の設計、実用化等に取り組んでいる。

こうした研究開発体制の中からシワを改善する効能の医薬部外品「ポーラリンクルショットメディカルセラム」の製造承認を取得(2016年7月)した。
同メディカルセラムは、ポーラ化成が15年の歳月をかけてシワの改善メカニズムや素材探索を行うなどして開発した。また、本成分のシワ改善効果の検証として、日本香粧品学会「抗シワ製品評価ガイドライン」に準じて本製品と有効成分を含有しない製剤(プラセボ)を比較対照とした二重遮蔽無作為化試験を実施した。
試験は、目尻にシワを有する健常な日本女性68名を被験者に1日2回、左右の目尻に指定した製剤を12週間塗布した。
その結果、使用12週目における目視評価( シワグレード評価)及び機器評価(図参照)において本製品は、プラセボに対し、統計学的に有意なシワ改善効果を示した。
安全性については、健常な日本人女性122名を対象とした12ヵ月の連用試験と皮膚アレルギーをより慎重に評価するための、健常な日本人女性102名を対象とした6ヵ月連用後の48時間閉塞パッチテスト試験をおこなった。
試験の結果は、12ヵ月連用試験において副作用は一例も認められず、全例が「安全である」と判定。また、6ヵ月連用後の48時間閉塞パッチテストにおいても「陽性反応及び副作用」は認められなかった。以上のことより、本成分を配合した本製品は医薬部外品として安全に使用できるとの決論を得た。

親会社のポーラは、実証試験の結果を踏まえて2017年1月から同メディカルセラムを市場に投入し販売を始めている。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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