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産学官連携による化粧品等の共同開発成果 ~近畿大とリーブ21など民間企業がトニック、化粧水などを商品化~(上)

文部科学省の産学連携補助事業を活用して、地元自治体や地元大学、民間企業3者等が連携して化粧原料、化粧品を開発する動きが見られる。平成26年度、平成27年度の2年間で化粧原料、化粧品開発において成果を出した事例の実態に迫った。

平静26年度の共同研究の成果として、近畿大と民間事業者が共同で「リープトニック髪皇スプラウト」(現商品名・髪皇X=写真)や「クロモンモイスチャーローション」「ㇾ・モイスト」などの化粧品を開発し商品化した。

「リープトニック髪皇スプラウト」は、野菜のブロッコリーの新芽「ブロッコリースプラウト」に含まれる抗酸化物質から抽出したエキスを化粧品に配合してトニックとして商品化したもの。株式会社毛髪クリニックリーブ21(大阪府大阪市)と近畿大学が共同で開発した。
発毛効果は、毛乳頭細胞が約1.8倍増殖、細胞内のVEGF(血管内皮 細胞を増殖させ、血管の形成を促す糖タンパク質)、BMP4(骨形成誘導活性を示す骨形成因子)の遺伝子発現を1.4倍上昇することを実証している。同社は、2014年6月から自社通販サイトで販売している。

「クロモンモイスチャーローション」は、スッポンの高純度コラーゲンとスッポンコラーゲンペプチドを配合した化粧水。発売元の株式会社クロモンコスメティック(大阪府大阪市)は、大阪・黒門市場で営業する有名鮮魚店「新魚栄」の子会社で、黒門市場生まれの初のコスメブランド。クロモンコスメティックがスッポンを用いて化粧品の商品開発を実施。その中で、近畿大学がどの部位が化粧品として優れているのかを確定し、抽出を行った。2013年10月からネットショップで販売中。

「ㇾ・モイスト」は、広島県特産のレモンの花びらを使った化粧水。近畿大学工学部と広島県のレモン農家である上神農園、地元で美容室を経営する「ミューズ」が共同で開発した自然派化粧品。

いずれも地場産の化粧品として地域から需要を発掘する考えで市場投入以降、現在は、商品の訴求力、顧客の取り込みなどに力を入れて拡販を図っている。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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