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マンダム幹細胞研究 ~ヒト皮脂腺の3次元観察に成功~(下)

マンダムは、大阪大学との共同研究講座において皮脂腺の評価法の研究開発に取り組んできたが、ヒト皮脂腺の3次元観察に成功するなど成果を上げている。
共同研究講座では、皮脂分泌の制御に優れた製品開発に繋げるため3つの研究成果を上げた。

①ヒト皮膚組織(倫理審査承認済み)から皮脂腺を観察可能な状態で取り出すことに成功した
ヒト皮脂腺を観察可能な状態にするには、真皮から皮脂腺を取り出す必要があり、これまでの研究では、皮脂腺とその周辺組織の結合を切断するために酵素が用いられていた。しかし、その酵素を用いて皮脂腺を取り出すと、皮脂腺の最外層細胞が剥がれ落ちてボロボロになっていた。そこで研究講座では、解剖学的に皮膚組織の裏側から皮下組織や真皮線維を取り除くことで、最外層細胞が滑らかに皮脂腺を覆った状態で取り出すことに成功した。

②観察可能な状態になった皮脂腺を染色することで、皮脂腺内部に存在する皮脂の3次元構造(右図)を観察できた
ヒトの皮脂腺が観察可能となったため、皮脂を染める試薬で染色を行い、皮脂腺内部の皮脂状態を観察した。その結果、ヒト皮脂腺に内包されている皮脂の油滴が3次元観察できた。また、皮脂腺の内側に向かうにつれて細胞がより多量に皮脂を含んでいる様子も確認した。

③ヒト皮膚組織から皮脂腺を取り出すことに成功した
ヒト皮脂腺を観察可能な状態にするには、真皮から皮脂腺を取り出す必要がある。これまでの研究では、皮脂腺とその周辺組織の結合を切断するために酵素が用いられていた。しかし、その酵素を用いて皮脂腺を取り出すと皮脂腺の最外層細胞が剥がれ落ちてボロボロになっていた。
そこで両社は、解剖学的に皮膚組織の裏側から皮下組織や真皮線維を取り除くことで、最外層細胞が滑らかに皮脂腺を覆った状態で取り出すことに繋げた。

一連の成果について両社は「ヒト皮脂腺を用いた評価によって皮脂を制御できる成分の探索が可能になる一方、皮脂分泌メカニズムの新たな解明と生体に近い状態での皮脂分泌評価につながるなど、皮脂分泌の制御に優れた製品開発に応用できると考えられる」としている。
この一連の共同研究成果似ついてマンダムは、第116回日本皮膚科学会総会(2017年6月2日~4日)で発表している。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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