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㊿京大・大阪市立大発ベンチャーナールスコーポの会社研究 ~化粧原料ナールスゲン配合の化粧品を通販、百貨店等で販売~(下)

ナールスコーポレーションは、化粧品原料ナールスゲンの特性が主力ユーザーの化粧品メーカーなどから評価されて受注が舞い込んでいる状態。
「日興リカ、ジェイティーエスなど約10社に上る有力な代理店を通じて売り込み攻勢をかけているが反応は極めて良い。当社の原料を化粧品に配合して売り出す化粧品会社が多くみられるようになった」と強調する。

同社はまた、化粧原料ナールスゲンを配合した化粧品「ナールス」を現在まで6商品開発し、市場に投入している。
第一弾に商品化したのは、天然由来のハッカ油とエタノールの機能で角質層に浸透し、ハリ、つやのある健康な肌に導く特徴を持つ化粧水「ナールスミントプラス」(写真)をはじめ、「育む」「攻める」「守る」のエイジングケアを同時に実現する保湿クリーム「ナールス ユニバ」や目元や口元のエイジングサインを集中的にケアする「ナールス ネオ」など6商品。
6商品について同社は「乾燥肌や関連する肌悩み、乾燥による小じわケア、ほうれい線のケア、毛穴のケア、目の下のくまのケアなど肌の老化に伴うさまざまな肌悩みのケアに最適」と説く。現在、化粧品の販売は、通販と京王百貨店、大丸など全国約20の百貨店、化粧品専門店等で販売。さらに販売店舗を拡大中。

化粧品と化粧原料を合わせた業績は、2017年3月期で約3億円。今後の目標としてナールスゲンの抗酸化作用を生かした化粧品や医薬部外品の開発を進めて業績拡大に繋げる。この1~2年間で5億円から7億円の売り上げをめざす方針。

一般的に大学発のベンチャー企業は商品化の技術開発に優れているが、販売面で成長の軌道に乗るまでにかなりの時間を要する。
同社は、今年3月で法人化して6年を経過した。製品開発や技術開発は、引き続き京大等の技術力に負うところが大きい。
問題は、販売面での収益拡大である。百貨店や化粧品専門店との取引拡大が今後、どの程度、見込めるのか。また、量販店やドラッグストア等新たな販売チャンネルをいかに拡大するか、マーケティングの強化と合わせて課題を抱える。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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