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ホームケア製品がもたらす影響は

“サロン離れ”は本当に起こるのか?

それでは、美容家電・ホームケア製品が、エステティックサロンの利用に影響を与えることは考えられるのだろうか?

野村総合研究所の分析によると、美容家電のカテゴリ毎の市場規模では、フェイシャル用のスチーマー、高機能ドライヤー、ヘアアイロン、シェーバーなどの市場規模はいずれも100億円を超えているという。そのため、「商品が競合するエステティックサロンのメニューについては影響を受ける可能性が考えられる」と川元氏は言う。例えば、高機能ドライヤーや頭皮ケア機器などの美容家電に対しては、美容室のトリートメントが競合すると考えられる。ヘアアイロン、シェーバーは以前から市場化されていることを考えると、エステティックサロン市場への影響が大きい美容家電は近年市場が拡大しているスチーマーであり、これらのメニューを展開するサロンへの影響が考えられると予測する。
ホームケアだけに満足してしまう消費者はいるのだろうか。例えば、美容室でカラーリングをする代わりに、ヘア用のカラー剤を使用して髪を染めてしまう人もいる。だが一方で、やはり美容室でなければ満足できないという人もおり、それは美容室でのカラーリングに、それだけの価値を見出しているということだろう。こうした、家ナカでのケアと実店舗の競合はすでに以前から存在しているのである。

ホームケア製品の使用による「サロン離れ」が起こるかどうかは、サロンがどれだけ消費者が満足できるサービス、付加価値を提供できるかにかかっている。あるいは、消費者に対して美容家電を使ったホームケアを提案することで、サービスの質を高めることも可能だ。拡大する美容家電市場に対してどのような打ち手を講じるのか、経営者の戦略が問われるところだ。

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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