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米国の化粧品市場はパンデミックの影響で過去最大の売上減少か?

米市場調査会社クライングループは、3日、 新型コロナウィスル感染症(COVID(コビット)-19の)の影響を受けて、2020年に米国の化粧品とトイレタリーの売上がどのように変動するかという予測シナリオを発表した。リーマン・ショック後の2009年同社の追跡データ調査では前年比0.8%の減少を記録したが、本年度は2.5%の減少が最も可能性の高い結果と予測している。最良のシナリオは1.5%の増加で最悪のシナリオはマイナス8.1%。現在のパンデミックの状況を考えると、ロックダウンが夏頃まで続くという観測もあり売上増加は見込めない可能性が高いようだ。

同社の予測分析では、美容カテゴリを救急カテゴリ、日常生活カテゴリ、ご褒美カテゴリ、待てる(今必要でない)カテゴリの4つに分類している。救急カテゴリは液体ハンドソープ、消毒剤などで売上が急増すると見込まれる。日常生活カテゴリは、シャンプーやデオドラントのような日常基本的に必要な製品群であり、消費者は通常通りに 使用すると予測される。ご褒美カテゴリはフェイシャルスキンケアやマニキュアなどの贅沢品で今後、減少するという予測。ただ、消費者が自粛への‘ご褒美’として少しの贅沢を楽しみだすと多少の売上が期待される。 待てるカテゴリはカラー化粧品や香水類で、最も打撃を受け、外出を控え、人との距離(ソーシャルディスタンス)が要求されている間は減少し続けると予想される。

化粧品市場は、2020年に続き数年間は後退する可能性が高いが、過去のすべての不況時と同様に、3〜5年以内に回復すると予想している。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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ヴァレリー・康子

顧問記者(国際ビジネス、マーケティング)

Yasuko Valery/早稲田大学大学院卒。英インデペンデント新聞社東京支局オフィスマネージャーを経て、日本経済新聞社ロサンゼルス支局で米国西海岸の流通、産業分野を専門に記者経験を積む。本紙では主に、米国欧州の海外メーカー、ブランドの動向、海外市場の動向、新規ビジネスモデルなどを担当。現在はロンドンに在住

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